しいたげられたしいたけ

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また古い本です。

あなたに似た人 (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 22-1))

あなたに似た人 (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 22-1))

  • ロアルド・ダール『あなたに似た人』(ハヤカワ文庫)
    • 短編集。ふとしたきっかけで平凡な日常が奇異なものに変貌する瞬間が好んで描かれる。もし自分が作中人物だったら、アブノーマルな状態に転落する前にブレーキがかけられるのだろうか、と疑問に思うことしばしば。現実の場合はどうなんだろう?ちゃんとブレーキがかかるものなのだろうか。それとも案外誰もがあっさりとアブノーマルの側に一歩を踏み出していたりして。
    • なんとなく藤子不二雄Aの『笑ゥせぇるすまん』を連想した。ただ登場人物が(例外もあるが多くの場合中流以上の)英国人であるため、使われる小道具もレア物ワインとか豪華客船の船旅とか肖像画とか、あんまり喪黒福造がクライアントに提供を申し出そうにないものが多いが。
    • しかし今回に限ったことではないが、とりわけ文学における翻訳の文体というのは正直言って苦手である。教養ある英語国民は婉曲なというか持って回った表現を好むため、たとえば登場人物が「結婚した」と書いてくれれば済むところを「登記室に拉致」した(p248)なんて書いてくれるもんだから、私のような注意力散漫な読者は「あれ、この人いつ結婚したんだ?」みたいなことが何度もあった。それからストーリー中のエピソードが物語のオチに結びついている感じがぜんぜんなく「なんでこのエピソードが必要だったんだろう?」と首をひねることも、しばしば。文化の違いというものなのか?それともこれも単なる私の理解力不足なのか…