🍉しいたげられたしいたけ

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永井均『これがニーチェだ』(講談社現代新書)

これがニーチェだ (講談社現代新書)

これがニーチェだ (講談社現代新書)

うわーっ、思ったとおりだ。これはニーチェではなく永井均氏によって解釈されたニーチェなのだ。つまりこれはニーチェの世界ではなく、永井氏の世界なのだ。竹田青嗣の『ニーチェ入門』が、あくまで竹田氏によって解釈されたニーチェ、つまり竹田氏の世界であるように。と言うか第3章まであたりを読んで、これは『〈子ども〉のための哲学』(講談社現代新書)の変奏曲だなと感じ、第4章を読んで『ウィトゲンシュタイン入門』(ちくま新書)を強く想起したのだが、「結語」(p219)で作者があっさりそれらの書名を挙げていた。なお(とりわけ難解な)第6章については『翔太と猫のインサイトの夏休み』(ナカニシヤ出版)を参照とあったが、こちらは未読。
追記:(2/24)
『〈子ども〉のための哲学』の中で永井氏が竹田氏に向けた「私はそんなことは言っていない」という批判は、ようするに永井氏の竹田氏に対する「道徳的であれ(道徳的でないこと=悪いことをするな)」という要求だったのではないのか?そして同じ本の中で永井氏が「なぜ悪いことをしてはいけないのか」が哲学的な問題だとして論じたのは、「悪いことをするな」という確固たる命題が自己の中のどこを探しても存在しないからではなかったのか?思うに「悪いことをするな」というのは、根源的(発生学的?)には他者への要求ではないのか。そして外部からの「悪いことをするな」という要求に、内発的な同意(「ああ、悪いことをしちゃいけなんだな」という理解。場合によっては迎合とか盲従もある)が伴った状態を、我々は道徳とか倫理とか呼ぶのではないだろうか。以上、備忘として。
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