しいたげられたしいたけ

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森達也・安岡卓治『A2』(現代書館)

A2

A2

地下鉄サリン事件10周年というわけじゃないけど、読んでみた。森氏が追い続けている謎「なぜあんな善良そうな集団が次々と凶悪な犯罪を犯したのか?」に対して、答えが出ているわけではない。それは『A』と同様である。森氏は語る。

大切なことは結論ではない。極論すれば結論に価値などない。与えられた論理や倫理に思考を停めず、二元論の狭間で葛藤と煩悶を繰り返しながら、自分の中に湧出する情緒を、真直ぐにと見つめ続けることなのだ。

(p53〜54)
三部構成で、初めの部分はビデオ版『A2』に収録されなかったエピソード。近所の住民、右翼、人権団体、テレビ局のスタッフなどオウム(アレフと改称)を取り巻く人々の視線にページが多く費やされている。第二部はシナリオだが、ビデオ版のどの程度をカバーしているのかは、わからない。白黒のスチールつき。第三部は、安岡氏の視点による森氏の人物描写など、『A』と『A2』前半に対する、ちょっと長めの解説のような趣の文章。