しいたげられたしいたけ

空気を読まない。他人に空気を読むことを要求しない。

司馬遼太郎『北斗の人』(角川文庫)

北斗の人 (角川文庫)

北斗の人 (角川文庫)

司馬遼太郎は面白いなぁ。主人公は剣客の千葉周作坂本龍馬が学んだ北辰一刀流の開祖と言うか、赤胴鈴之介の師匠と言うか。ただし草莽の時代から筆を起こし、決して神格化されていない。
武者修行の主人公が、だんだん強くなってゆく相手と次々に対戦しては破り、そのたびに門人を増やしていく。後半では、相当に大きくなった主人公グループが、土着の古い流派一門と、大規模な事を構えざるを得ない雲行きになる(実に日本的なというか、そんな決着を見るのだが)。
ビルドゥングスロマンというよりは、おそらく昔の講談本の物語構造そのものなのだろう。そしてこの物語構造は、考えてみるとTVやマンガのスーパーヒーロー物やRPGなどに、そっくりそのまま継承されているのである。