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船橋洋一『あえて英語公用語論』(文春新書)

あえて英語公用語論 (文春新書)

あえて英語公用語論 (文春新書)

さきに読んだ『英語を学べばバカになる』が全編この本の批判だったので読んでみたのだが、はっきり言って本書の勝ちだな。材料となる事実を並べていくというスタイルは、両書とも似通っている。自分の論拠に都合のよい材料を並べているだけではないか、という批判は当然両者に当てはまるのだが、後から出す方は当然批判する対象を越える分析が行われていなければならない。『英語を学べば…』にそれがあるとは思えない。
短くまとめた事実を次々に提示するという本書のスタイルは、読み物として読むのには快い。とりわけ各国におけるバイリンガル教育の方法は興味深かった。第3章のカナダ(英・仏)、第4章の米国自身(おもに英・西)、シンガポール(英・中・マレー・タミル)、欧州各国など。だが第5章に至って、日本の中央官庁の英語力の分析を読むと、こりゃなんとかならないのかという危機感を強く感じる。例えば米国の国防官僚が日本の外務省とではなく防衛庁と直接対話をしようとしたとき、防衛庁の人々の英語がわからなくてほとんど政策対話にならず、これはむりだとあきらめたという話(p185)とか、他にも通産省(現・経産省)の特許庁が「審査ができない」という理由で英文特許を受け付けていないという話(p186)など。なにより1941年春(太平洋戦争開戦直前です。念のために)に米国のハル国務長官と交渉した日本の野村駐米大使の英語力が、この本のp193に書かれている通りだったとしたら、これはかなりショッキングである。
著者の具体的な提言は第6章にまとめられているが(『英語を学べば…』からは、じゃあ具体的にどうしたらいいのかということが読み取りづらい)、我々一個人としてはどうしたらいいもんかねぇ…私としては、地道に英語で書かれた本でも読み続けてみようかと思う。NHK出版から出ているBrian Powle本くらいなら、辞書をあんまり引かなくても読めるのだ。“My Humorous Japan” の1と2は読んだ。3はどこまで読んだのか覚えてないからそのうち読み返そう。今は “My humorous world” をぼちぼち読んでいる。日本語の本と違って一日一冊なんて絶対ムリだが、時間をかければ何とかなるのだ。
しかし英語って難しいんだわ、ホンマ(^^;