しいたげられたしいたけ

空気を読まない。他人に空気を読むことを要求しない

Brian W. Powle"My Humorous World Part2"(NHK出版)

My Humorous World〈Part2〉

My Humorous World〈Part2〉

ドイル『緋色の研究』にアングロ・サクソンの冒険心と忍耐力を自賛するくだりがあったが、著者の行動力と来たら…本書だけでも記述は南北米州、欧州、アジア、アフリカと5大陸にまたがっている。全24章中フィリピンだけで4章を占めるなどアジアの記述が多いのは、筆者が日本に住んでいるから当然か。それにしても筆者とともに筆者の友人の白人女性が、大いに不満をたれながら「はしけ」に揺られてアンコールワット目指してトンレサップ川をさかのぼるくだり(p160)なんぞを読むと、いかにもふさわしくないというか、「わざわざ好き好んでそんなことしなくても」と思わずにはいられないのだが、よく考えるとそこまで行こうという行動力は賛嘆の対象以外の何ものでもないではないか!
最終章(p167〜)は旅行記ではなく著者が二度、死に直面した回想。前半は第二次大戦中に著者の通う学校をナチスのV2が直撃した話で、後半は航空ショーの事故で空中分解したジェット機のエンジンが観客の真っ只中に落下した話。後者の事故の後、著者は3ヶ月に及ぶ抑鬱に苦しめられ、「生きている間にできるだけ世界を見ておこう」と決意したという。
いらんことだがp130の表題"Gangters"は"Gangsters"の誤植だな。2刷してるのに章の見出しが間違ったままでいいのかNHK出版?