しいたげられたしいたけ

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エドワード・デ・ボーノ、川本英明・訳『会議が変わる6つの帽子』(翔泳社)

会議が変わる6つの帽子

会議が変わる6つの帽子

原題は"Six Thinking Hats"だが邦題は名が体を現していて良い。本書に登場する6色の帽子の役割は次の通り。「帽子をかぶる」とはその帽子の表わす立場から発言をすること、いわばその帽子の表わす性格の「役割を演じる」こと。
・白い帽子…事実とデータを述べる
・赤い帽子…思ったままの感情を述べる
・黒い帽子…警戒や注意など否定的な面を述べる
・黄色い帽子…肯定的な面、プラス面を述べる
・緑の帽子…新しい考え方を述べる
・青い帽子…会議の進め方自体、帽子の使い方そのものについて述べる
例えば「白い帽子をかぶる」というのはこんな具合(p62〜63を抜粋)。
「アメリカでは昨年、七面鳥の肉の売り上げが25%増加しました。これはダイエット商品や健康食品への関心が高まっていることによるものです」
「フィッツラーさん、私はあなたに『白い帽子』をかぶるように頼んだはずです。25%増加したことは事実ですが、それ以外はあなた自身の意見ですね?」
「そうではありません。消費者が七面鳥の肉を購入する場合は、コレステロール値が低いと考えているから、という市場調査の結果が報告されています」
「ということは、あなたは二つの事実を捉えていることになりますね。ひとつは、昨年七面鳥の肉の売り上げが25%増加したこと。ふたつめは、市場調査ではコレステロール値が低いから消費者が七面鳥の肉を購入するという報告があること」
一方で「帽子は取り替えることができる」つまり出席者は自分の意見を述べることを禁止されているのではなく、例えば「赤い帽子をかぶる」ことが求められた場合は、会議の出席者はこんな発言をすることもできるという(p95)。
「私は彼女が任命されることに反対です。その理由は彼女に対して、そして彼女の早い出世に嫉妬しているからです」
面白い、と思う。一方で「そんなにうまくいくもんかな?」と思う。どっかの大企業など大組織で、トップダウンで「6つの帽子を会議に取り入れろ」と指示が出るのは大いにありうることだとは思うが。もう一つの疑問として、6つという数は必要にして十分なのだろうか?例えば黄色い帽子と緑の帽子の使い分けは、著者の説明を読めば納得できるけど、緑の帽子を使う機会は他の帽子に比べて多くはなさそうだ。あるいは他にも「自分の利益」と「他人の利益」をそれぞれ代弁する帽子があってもいいようにも思う。
何より会議って本当に必要なのだろうか?自分の経験から言えば、サラリーマンをやっていたときは毎日のように会議に引っ張り出されたが、自営業を始めてからは「会議」なんてものをやったことはないのだ。お客さんに説明して、受け入れられれば契約してもらえ、受け入れられなければ契約してもらえないだけである。それを考えると「大組織はなんと膨大なエネルギーを無駄に浪費しているのだろう」と思えるし「大組織恐るるに足らず」と開き直ることもできる。