しいたげられたしいたけ

建築家は外装の失敗をツタで隠し、料理人は味付の失敗をマヨネーズで隠し、政治家は内政の失敗を戦争で隠す

浅田次郎『勇気凛凛ルリの色―福音について』(講談社文庫)

勇気凛凛ルリの色 福音について (講談社文庫)

勇気凛凛ルリの色 福音について (講談社文庫)

お待たせしました。著者は本書後半で直木賞を受賞します。期待にたがわず、た〜っぷりと喜んでくれています。それにしても以前も書いたけど、ブレーク直前に著者に目をつけてエッセイを連載させた『週刊現代』の編集者は、すごい!
これも以前にも書いたけど、球児でなかった人間が甲子園というのに何の感慨も抱かぬようなもので、私自身は直木賞にはなんの権威も感じず、誰それが直木賞作家だからという理由で著書を手に取った記憶はほとんどない。せいぜい筒井康隆氏とか清水義範氏とかが、直木賞落選をネタにいじられることを面白いと思うくらいである(あ、筒井氏も清水氏も大好きな作家ですよ)。でも、この著者が折にふれ「幼い頃から小説家になりたかった」とはっきりと語るのを読んでいると、「おっさんがんばれ!」と素直に応援したい気分にさせられます。
ただし油断は禁物。例によってうっかりしてると大泣きさせられます。私は今回は、真ん中あたりの「いのちについて」と題する回で、やられた。