しいたげられたしいたけ

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鴻上尚史『ハッシャ・バイ』(白水社)

ハッシャ・バイ

ハッシャ・バイ

鴻上戯曲をもう一作読んでみた。私立探偵のところに、奇妙な依頼に来た女性。「毎夜、夢で同じ光景を見る。その夢と全く同じ光景が写っている写真を、骨董店のショウ・ウィンドウで見つけてしまった。写真に写っている場所を探してもらいたい」
本作品では夢と現実、『恋愛戯曲』では劇中劇と現実、『トランス (新版)』では登場人物の妄想と現実、というように、著者の作品には虚構と現実とを多重写しに描くものが多い。それは「舞台」というものが、現実の上に置くとまぎれもない虚構であり、虚構の中に虚構を持ち込むと、たちまち合わせ鏡のようなラビリンスが生じる効果を狙ったものであろうか。
いらんことだが表題のhushabyというのは、子どもを寝かしつけるときに言う「ねんねんよ」というような意味の英単語だが、ハッシャ・バイ(husha-by)と区切るのは誤りではないのかな?