しいたげられたしいたけ

ルワンダ虐殺の責任を問われたラジオ局DJの弁明「殺せなどとは一言も言っていない。俺はただ、危ないぞと言っただけだ」

再読

貝塚茂樹史記―中国古代の人びと』(中公新書

史記―中国古代の人びと (中公新書 (12))

史記―中国古代の人びと (中公新書 (12))

以前に読んだのは、もう何年も前のことになるだろうか?『モーニング』に掲載されていた鄭問東周英雄伝』というマンガがきっかけで、中国の春秋・戦国時代にハマり、安能務宮城谷昌光の小説を何冊かたてつづけに読んだことがあった。その関連で読んだんじゃなかったかな?
正直、そのときはあまり印象に残らなかった。学者の書いた本なので、想像力を縦横無尽に働かせる小説家の本と違い、原典を大幅に逸脱することがない。だから「知ってるエピソードばかりだな」という、本末転倒っつーかバチあたりっつーか、そんな感想しか抱かなかった。
今回、再び手に取ってみたのは、ここのところ漢文がらみの新書を何冊か読んでみた流れである。
ごめん、やっぱり地味な印象は拭えないですわ_| ̄|○
史記』は2000年も前に書かれた本である。内容を解読するには、尋常ならぬエネルギーが必要であることは、わかる。そしてそうした努力を惜しげもなく投入しつづけてくれた先人たちが存在するおかげで、我々がわかりやすく現代語に書き改められたその内容に接することができるのだ、ということも。
問題は「わかりやすすぎる」ということなのである。結局、自分で努力してないから、ありがたみがわからないんですよね。
いや、もちろん中国の春秋・戦国時代にあまりなじみを持たない人に対しては、おすすめではあるのだが。『史記』全体の現代語訳は、ちくま学芸文庫で全8巻にもなるのだが、そのアウトラインを新書本一冊というコンパクトなサイズにまとめてくれている。伯夷→商鞅蘇秦孟嘗君・信陵君→始皇帝・李斯・陳勝項羽劉邦というピックアップには、当然好みが分かれることはありうると思うけど。それから最初の二章を司馬遷がある死刑囚に宛てて書いた手紙のために割き、司馬遷の苦悩にスポットライトを当てているのが本書の大きな特徴と言えるかも知れない。