しいたげられたしいたけ

空気を読まない。他人に空気を読むことを要求しない

小栗左多里『プチ修行』(幻冬舎文庫)

プチ修行 (幻冬舎文庫)

プチ修行 (幻冬舎文庫)

急性仏教かぶれを発症して、マイミクさんたちの日記にKYなコメントを連発している私であるが、しょせん本とか紙の上の知識のこと、これで仏教の精神を会得できるものでないことは自覚しているつもり。
著者はマンガ『ダーリンは外国人』シリーズでブレークした人で、ほの見える女性らしい性格の悪さ*1がかわいくて、わりと好みの人である。
何事も実践しなければわからない。「瞑想」「写経」「座禅」「滝行」「断食」「お遍路さん」と仏教系の修行を、一日〜数日の体験コースで次々とこなす著者のフットワークの軽さは、心底えらいと思う。

「先生は解脱してるんですか!?」

(p39)
という恐るべき質問をして、周囲を凍りつかせたりすることも含めて。
エッセイ&マンガの体裁で、修行に至るまでの状況を文章で説明して、修行のシーンはマンガで図解してくれるので、読みやすくわかりやすい。

 しかし、人間って、いろんな研鑽〔けんさん〕を積んでも「自己顕示欲」はなくすのが大変なんだなあと実感した。

(p248)
とか、

 修行の途中、座禅を組みに行ったお寺で気づいたことがある。お寺にいる人が誰一人、幸せそうな顔なんてしていないのだ。

(p252)
とか、ギクリとするような感性鋭い批評眼も披露してくれている。
楽しく一気に読めたが、改めて言うまでもなく読者の私にとっては、これも本の上の知識なんだよなぁ…

*1:あ、たいしたことではないです。愛しかつ尊敬しているはずの旦那さん=トニー・ラズロ氏を、著書の中でいぢり倒してることとか…