しいたげられたしいたけ

空気を読まない。他人に空気を読むことを要求しない

わが道を行く

ショッピングモール・食品スーパー・ホームセンターの類が大好きなタチである。出先であろうがどこだろうが、時間的な余裕があれば、ついつい入ってしまう。
入るだけにしておこうと強く心に決めているのだが、つい不要不急のものを買ってしまうことも、しばしばである。
電車に乗って遠出をした先で、ついふらりとホームセンターに立ち寄ってしまった。で、よせばいいのに、欲しいと思っていた収納ケースを見つけてしまった。仕事用の機器をしまうのにドンピシャのサイズなのだ。
ドンピシャだということを知っているのは、すでに一つ持っているからである。スペアがあるといいなとずっと思いながら、なかなか同じものが手に入らなかった。
それを見つけてしまった。
こんなやつ。

だいたい「スペアがあるといいな」という点で不要不急決定である。しかし、今、買わなければ次の機会までずっと「買いたい買いたい」と思い続けるのかと思うと、かなわない。
最大の問題は、どうやって持ち帰るかだ。送ってもらうほどではない。サイズは約1100×300×400とかなり大きいが、プラ製だし中身はカラッポだから決して重くはない。自力で運べないこともなさそうだ。
迷ったあげく、買って帰ることにする。
甘かった。
重さはさほどでなくても、サイズのでかいものを手で持って歩くのは、かなりの重労働だった。
しかもターミナル駅で電車の乗り換えが必要だったりする。
こんなものを持って改札を通ったり電車に乗ったりターミナル駅の人ごみをうろうろしたりする奴がいるのは、周りの人にとっては迷惑ゼロではなかったであろう。それは自覚している。
ところで私は、ブログでは偉そ〜な物言いばかりしているが、実生活ではいたって気弱な人間である。道で他人とすれ違うときには、たいてい自分からよけている。
相手も自分からよけるタイプだったりすると、双方が同じ方向によけようとして、双方とも道からはみ出しそうになったことも一再ではない。
ところが、でかい物を持っていると、足取り軽く進路変更はできない。しかも視界の半分がふさがれている。人や通路の壁にぶつかるんじゃないかという警戒心が、常にある。
まあいいや、見れば事情はわかってもらえるだろうと、「わが道を行く」とばかり通路の真ん中を歩くことにする。
普段そういう習慣がないからあんまり気にならなかったが、自分から道をよけたがらないタイプの人間も、やはり多いようである。
特に、乗換の改札直前ですれ違った二十代ぐらいの女性。持ち物はケータイくらいである。かなり手前で、こちらに気づいた様子なのはわかった。しかしケータイに目を落とし、進路を変えようとしない。いや、ちらちらとこちらに視線を向けているのは、当方はずっと前方を凝視しているのだから丸わかりなのだ。しかし、こういうときに意地になりがちな傾向を、私は持ち合わせている。
どうするつもりかなと思って、まっすぐ歩いてやる。すると結局、ぶつかる直前で球技のようなドッジングで鮮やかに身をかわし歩き去っていった。
ちょっとどきっとした。自分もちょっと意地になったのがわかっているので腹を立てる筋合いではない。まあしかし、「わが道を行く」という選択を貫くだけでも、世の中それだけで見えてくるものが違うんだなとか、それはそれでエネルギーを必要としそうだなとか、あれこれ感じるところがあったという次第。