🍉しいたげられたしいたけ

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兵庫県の浄土寺に参拝に行った

国宝快慶作阿弥陀三尊で有名な寺院である。
実は難波まで延伸した阪神なんば線(旧阪神西大阪線)にまだ乗っていなかったので、センバツでも観に行きがてら乗ってみようかなと思いつつ、ふとネットで調べたら、もうちょっと足を延ばして神戸電鉄に乗り換えれば行けることがわかったので、こっちにしてみた。そういえば神戸電鉄も乗ったことがなかった。
私には「乗り鉄」の傾向がある。ただし私鉄限定。特に理由はない。しいて言えばこれまで住んだところの最寄駅が、なぜか私鉄ばっかりだったからかも知れない。ざっと振り返ってみると名鉄、嵐電、京急、JR関西本線、京王、東急、近鉄ときて今はまた名鉄。
近鉄から阪神まで改札を出ないで行けるようになり、阪神と神鉄や山陽電鉄はもともと改札なしで乗り換え可能だから、近鉄名古屋から浄土寺の最寄駅である神鉄小野駅までどうやって切符を買うのかと思ったけど、自販機が対応してなくて難波までしか買えず、降りるときに精算するしかなかった。小野駅にインターホンがあって遠隔操作で精算機を操作して精算してくれた。帰りは自販機で買えるのは三宮までで、やはり降りるときに精算した。
あと小野駅から浄土寺までの足がなかった。参考にしたサイトには2005年と少し古い情報で神姫バスの路線があると書いてあったが、私が行ったときにはコミュニティバスに代わっていた。コミュニティバスって地元の人以外には使いにくいんだよな〜。結局、小一時間ほど歩いた。昨日までは3月も終わりとは思えないほど寒い日が続いたが、今日はさほどでなかったから助かった。また花粉もひどくなかったし。

拝観。外見はそこらのお寺となんら変わらない。門前に土産物屋が並んでいるわけでもないし。浄土堂という名前のお堂に実際に入るまで、日本仏教美術の至宝ともいうべき仏像を収蔵している寺院とはとても思えない。

浄土寺発行のパンフレットより、写真を一枚だけ引用させていただきます。

完璧な造形。
しかしパンフレットやウィキペの写真より、実物はうんと柔和な印象を受けた。「丈六」=約5mを見上げた時の角度を計算に入れて造形されているからだろうか。
周囲360°どこからでも、しかも至近距離から拝観できることもよかった。

あくまでも私が個人的にそう思ってるだけなんだけど、浄土信仰は「こんなものが仏教か?」「いや、こんな仏教もあっていいはずだ!」「いや、これこそが仏教だ!」という葛藤というか、緊張感がいいんだよな。
浄土信仰が仏教の中でどのように位置づけられるか、仏教を勉強し始めたばかりの頃には、なんだか水と油のような異質なもののように感じたこともあったが、オリジナルの仏典を少しずつ読み進めるうちに、あくまでも私の中でだけど、だんだんと「浄土信仰はやはり仏教という土壌の中で生まれた清華なのだ」と納得できるような気がしてきた。
鎌倉時代の栂ノ尾上人明恵房高弁から昭和の渡辺照宏師まで、尊敬措く能わざる(尊敬しないではいられない、という意味ですよ、念のために)仏教者で、浄土教を批判した人は数知れないことも悩ましいんだけどね…って以前にも同じことを書いたことがあったかな?
また「如来所以興出世 唯説弥陀本願海」(=「お釈迦さまがこの世にお生まれになった目的は、ただ阿弥陀仏の海のように大きな願いを説き明かすためだけである」親鸞『正信偈』より)とまで言い切っていいものかどうかも、いまだによくわからない。
わからないのがいいのだ。たぶん。
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