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しいたげられたしいたけ

人権を守るには人権を守るしかない。人権以外の何かを守ることによって人権を守ろうとする試みは経験的に全て失敗している

今のどこが面白かったかというと…

『夜は超能力』は、完成させられないまま20年くらい引っ越しの段ボールの底で眠っていた作品です。

完成させられなかった理由は、ご覧の通り夜景が多く、スクリーントーンが貼り切れなかったです。トーン貼りは、やり直しが効かない一発勝負にもかかわらず、実際に貼ってみなければ効果がわからないので、プレッシャーを感じ中途で挫折して放置してしまったのです。

今回、フリーのデザインソフトGIMPをちょっとだけ使ってみましたが、圧倒的な楽さに驚きました。それに気に入らなかったらやり直せることも、めちゃめちゃ有難いです。デザインソフトはもっと修業したいと思っています。

「ショボい超能力」というアイデアは、さらにその少し前の、永井豪の『手天童子』や、西岸良平の『ヒッパルコスの海』だったかどれかの短編集に収録されていた短編から、着想を得たものです(「パクった」とも言う)。当時は聖悠紀の『超人ロック』がメジャー誌に連載されるようになって話題を呼んでいましたが、オールマイティな超能力には物足りなさを感じたりしていました。しょせん素人の畏れ多い感想ではありますが。

私の場合、ストーリーを組み立てるには、まず最初に描きたいシーンが思い浮かんで、それをつなぎ合わせています。『夜は超能力』では、(その13)(その14)の「原始的な武器は…」とか(その17)の「念力ターボ」あたりを最初に思いつきました。その過程で、例えば(その22)の「最初からその手を使えばよかったのに」みたいな展開が思い浮かぶと、作り手としては「これこそが創作の醍醐味!」と感じます。読者そっちのけですみません。一方、物語では決定打みたいになった「生体内に異物を物質転送する」は、 naox21 さんから「痛々しくて…」というブコメをいただきましたが、実は私も「もうちょっとスマートな決着方法はなかったものか?」と、あまり気に入っていません。

なおこの話を作った当初は、これを長編の導入部にできたらいいなという意図もあって、例えば(その8)の「宇宙刑事はウソは申しません」というのも、その伏線のつもりでした。超能力を消してくれと迫るサエキ先生と牧村君に対して「自転車に乗れるようになった人間がその能力を消すにはどうしたらいいと思うかね? 乗らなきゃいいだけだ」と、にべもないことを言うシーンを心の中で描いていました。

当時は米ソ冷戦華やかなりし頃で主人公たちが身につけた超能力に興味を持ったCIAやKGBが暗躍したり、宇宙警察が星間文明と地球の仲介を求められて忙殺され犯罪者のバソキャが流刑みたいに地球に取り残され、実はこいつが案外いい奴で主人公たちが困難に直面した時に何かと手助けをしてくれたり、しかし一方で地球の法律や人権にはまるで興味がないので、地球の政治家とか偉いさんが都合の悪いことをすると「俺が消滅させてやろうか」などと物騒なことを平然と口走って主人公たちを引かせたり、あとトラブルに直面するたびに主人公たちの超能力が進化して反則みたいにトラブルを解決したり、最終的には米ソ連合の艦隊を相手に空中飛翔と空母斬りを披露したりなどと、いろいろと妄想を重ねていました。

しかし物語をそこまでつなぎ合わせる力は私にはなかったので、コメントで後日談の希望をいただいたユーヤ・ペンギンさんには申し訳ないのですが、この物語は全34回・35ページで完結ということにしたく存じます。

また満蔵さんからコメントいただいた件について、実はサエキ先生と牧村君の間にほのかな恋愛感情を示唆するコマは、下描きの段階では存在しました。これは長編化したときに、サエキ先生と牧村君がそれぞれ東西両陣営に分かれて接近し対立する時期のための伏線のつもりでもありました。しかし短編で完結とするにあたって、読者の想像に任せようとざっくり削除しました。

ひとえに私の才能不足のなせるわざと、お笑い捨て願います。

大相撲の小錦が現役だったとき、アナウンサーか新聞記者が「小錦さんは天才ですね」と言ったのに対し「何言ってんの? 幕内力士はみんな天才だよ!」と返したというエピソードがあったと思います。自分でマンガを描いていて実感したことは、雑誌連載を持っているマンガ家はみんな天才だ、ということです。

完成済みの原稿・書きかけの原稿はこれでおしまいです。頭の中でほぼ完成しているストーリーはいくつもあるのですが、それをどうやって取り出そうか悩んでいます。まずは絵のリハビリを兼ねて絵本を作成しようかなと思っています。しかし恥ずかしながら1ページ連載の毎日更新を維持したため実生活に影響が出かかっているので、そちらを挽回するためにブログの更新はしばらく休ませていただきたく存じます。なにとぞご理解のほど、よろしくお願いしますm(_ _)m

(その1)はこちら

http://watto.hatenablog.com/entry/2014/11/09/003000

その他の作品の「その1」は、こちら。

『さいてっく赤岡くん1コバンザメ足こぎボート(その1)』  全14回

 『冗弾の射手(その1)』 全14回

実はマンガ描いてました 全5回