🍉しいたげられたしいたけ

NO WAR! 戊争反察Ceasefire Now! 䞀刻も早い停戊を

謎解き日本のヒヌロヌ・䞭囜のヒヌロヌ远加ヒヌロヌ

远加ヒヌロヌ線は今回を入れおあず二回の予定です。次回が最終回の予定です。圓初は今回で完結にしようかなず思ったのですが、曞いおみたら長くなっおしたったので二回に分けたした。

「䞭囜のヒヌロヌの条件か条」を再掲したす。

その䞀 本人は䜕もしない

その二 郚䞋が優秀・特に副将が優秀

その䞉 劻子を䞍幞にする

その四 攟浪する

その五 口は達者

その六 䜓の䞀郚分に特城がある

その䞃 倖囜ず戊う

スポンサヌリンク

 

 

「䞭囜のヒヌロヌ」のリストは新しめの時代が手薄で、たた王様以倖の人も増やしおおきたいず思い、誰かいないかなず探したずころ、䞭囜近代文孊の父・魯迅が、かなりいい線いっおるんじゃないかなず思い぀いたので、この際远加しおおきたいず思いたす。

 魯迅は文孊者ですから「䜕もしなかった」わけではありたせんが、本人が比范的平穏な人生を送り、代わりに阿Q、孔乙己〔コンむヌチヌ〕、『狂人日蚘』の䞻人公の名前のない狂人ら、圌の生み出した䞻人公らが掻躍するこずをもっお「その䞀 本人は䜕もしない」「その二 郚䞋が優秀」に牜匷付䌚したいず思いたす。たた阿Qは凊刑、孔乙己は倱螪など、圌の物語に登堎する人物は、あたりいい結末を迎えおいないこずをもっお「その䞉 劻子を䞍幞にする」に充おたいず思いたす。

「その四 攟浪する」は、魯迅が日本の東京や仙台ぞの留孊歎があるこずが充おられそうです。たた日本の䞭孊囜語教科曞に倚く収録されおいる『故郷』は、長く離れおいた故郷を20幎ぶりに、そしお人生で最埌の蚪問になるこずを予感し぀぀、蚪れる物語です。

「その五 口は達者」は、䜜家ですから蚀わずもがな。りィキペによるず生涯に発衚した文章で、分量的に最も倚かったのは雑文だそうです。

順番をひっくり返しお「その䞃 倖囜ず戊う」に関しおは、第䞀小説集『吶喊』の前曞きに、次のような有名な文章がありたす。医孊生ずしお日本に留孊しおいた時の䜓隓です。

埮生物の教授法は珟圚どれほど進歩したかしらんが、぀たりその時は映画を甚いお埮生物の圢状をう぀し出し、それに拠っお講矩をするのであるが、時に䞀段萜を告げ、時間がなおありあたる時には、颚景画や時事の写真を挿蟌んで孊生に芋せた。ちょうど日露戊争の頃でもあるから、自然戊争に関する画面が倚かった。わたしは講堂の䞭で、同窓の孊生が拍手喝采するのに匕ずられお、い぀も喜んで芋おいた。ずころが䞀床画面の䞊に久し振りでたくさんの䞭囜人に出逢った。䞀人は真䞭に瞛られ、倧勢の者が巊右に立っおいた。いずれもガッチリした䜓栌ではあるが、気の抜けたような顔をしおいた。解説に拠るず、瞛られおいるのは、露西亜〔ロシア〕のために軍事探偵を働き、日本軍にずらわれ、ちょうど今、銖を切られお瀺衆〔みせしめ〕ずなるずころである。囲んでいるのは、その瀺衆〔みせしめ〕の盛挙〔せいきょ〕を賞鑑〔しょうかん〕する人達である。
 この孊幎が枈たぬうちにわたしはもう東京ぞ来おしたった。あのこずがあっおから、医孊は決しお重芁なものでないず悟った。およそ愚劣な囜民は䜓栌がいかに健党であっおも、いかに屈匷であっおも、党く無意矩の芋䞖物の材料になるか、あるいはその芳客になるだけのこずである。病死の倚少は䞍幞ず極たりきったものではない。だからわたしどもの第䞀芁件は、圌等の粟神を改倉するにあるので、しかもいい方に改倉するのだ。わたしはその時圓然文芞を掚した。

青空文庫 魯迅 井䞊玅梅蚳 「吶喊」原序 より。 ぀たり魯迅にずっおの文芞掻動は、遅れた䞭囜が欧米日の怍民地䞻矩に抗するため囜民の粟神改造を目的ずするものだったのです。

匕甚した蚳文は著䜜暩フリヌのため文䜓が叀いですが、もし興味の湧いた方があれば、続きの郚分もぜひ䞀読をお勧めしたす。魯迅の最初の詊みが、あっけなく挫折する旚が語られおいたすが、その語り口の苊さに、100幎前も今も倉わらぬ時代を超越した普遍性のようなものを感じたす。

私は岩波文庫の竹内奜蚳で読みたした。こちらは蚳文がもう少し珟代的で読みやすいです。

阿Q正䌝・狂人日蚘 他十二篇?吶 喊 (岩波文庫)

阿Q正䌝・狂人日蚘 他十二篇?吶 喊 (岩波文庫)

 

さお、埌回しにした「その六 䜓の䞀郚分に特城がある」ですが、『狂人日蚘』は「食人」すなわち自分が食われるのではないかずいう劄想を抱いた人物が䞻人公です。阿Qは疥癬を病んだため犿があるこずを苊にしおいたす。

たた『吶喊』には、『髪』ずいうタむトルの短線も収録されおいたす。

f:id:watto:20151230214354g:plain

  わけじゃなくお、同短線は匁髪をテヌマにした䜜品です。蟛亥革呜による新時代到来の蚌ずしお匁髪を切ろうずする若者たちず、わずか200幎前に異民族王朝である枅朝により匷制された匁髪を、千叀䞍倉の䞭囜の䌝統のように考え、党力で抵抗する䞖代の察立を描いおいたす。

これもごく最近の、倫婊同姓芏定合憲刀決に際し、この法制がわずか150幎ほど前にプロむセンの制床をたねお制定されたものにすぎず、たた厚劎省調査によるず今日では倫婊同姓を法埋で匷制しおいる囜が日本以倖に芋圓たらないずいう事実があるにもかかわらず、なんだかわけのわからない匷制的倫婊同姓擁護論がわらわらず湧いお出る状況を芋るに぀け、やはり魯迅の時代の䞭囜も今日の日本も、あたり倉わらないなずいう感を匷くしたす。

『吶喊』の話ばかりが倚くなったので、他の䜜品集に収録されおいる小説の話も䞀぀だけ。『故事新線』は䞭囜の叀い民話の再話を集めたものです。このうち『剣を鍛える話』旧題『眉間尺』は、なんず同じ話が玄900幎前に日本で成立した『今昔物語集』にも収録されおいたす。

あらすじは以䞋の通りです。

䞻人公の眉間尺の父は剣䜜りの名人でしたが、ずば抜けお出来の良い剣ができたので時の王様に献䞊したずころ、疑い深い王様はこれ以䞊に出来の良い剣が䜜られるこずを恐れお父を殺しおしたいたした。

実は眉間尺の父は二本の剣を䜜っおおり、そのうち出来の良いほうの剣雄剣を隠しお、出来の良くないほうの剣雌剣を王様に献䞊したのでした『今昔物語集』では、父は雌剣を差し出したこずがばれたため殺されたこずになっおいたす。成人した眉間尺は雄剣を携えお、父の仇をずるために王の居城ぞず旅に出たす。

ずころが眉間尺は、容易に王のもずに近づくすべがありたせん。

そこぞ正䜓䞍明の「黒い男」が珟れ、「お前の銖ず剣を俺によこせば、必ず仇を取っおやる」ず申し出たす『今昔物語集』では「刺客」。

驚いたこずに眉間尺は、その正䜓䞍明の「黒い男」の申し出に埓っお、われずわが銖を刎ねおしたうのです

「黒い男」は、雄剣ず眉間尺の銖をたずさえお王に謁芋したす。そしお蚀いたす「これを錎〔かなえ〕で煮おください」『今昔物語集』では「釜」。

王は「黒い男」の蚀う通り、錎を甚意させ、眉間尺の銖を煮させたす。王が錎を芗き蟌んだずたん、「黒い男」は王の銖を斬り萜ずしたす。王の銖ず眉間尺の銖は、錎の䞭で噛み合いの争いを始めたす。それを芋た「黒い男」は、なぜか自分の銖も錎の䞭ぞず斬り萜ずしおしたうのです。かくしお錎の䞭では、王の銖ず、眉間尺の銖ず、「黒い男」の銖の、䞉぀巎の争いが、い぀果おるずもなく続くのです  

 「なんだこのわけのわからん䞍気味な話は」ずいうこずになるのですが、その解釈は次回「远加ヒヌロヌ」線最終回ぞの䌏線ずいうこずにしおおきたいず思いたす。

故事新線 (岩波文庫)

故事新線 (岩波文庫)

Â