🍉しいたげられたしいたけ

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日本語におけるドイツ語起源と英語起源の外来語の奇妙な混交について

最初ブックマークコメントに書いたのだが、100字では収まらなかったので、更新が滞っている自分のブログのエントリーにします。
発端はこれ。
“ビール飲まない世代”が飛びついた「ホワイトベルグ」 異例のヒットにはワケがある | RBB TODAY
私の場合よくあることだが、元記事とは無関係な“「ホワイト」(英語)+「ベルグ」(Berg:ベルク=山…ドイツ語)というネーミング何とかならんか”というブックマークコメントを投入しようと思った。

そうしたら、日本語には独英混淆の奇妙な外来語がいくつも流通していることに気づいた。
「エネルギッシュ」…エネルギーはドイツ語Energieより。英語では energy(エナジー)だから、英語に統一するとしたら energetic(エナジェティック)としなければならない。
「メルヘンチック」…メルヘン(Märchen:メルヒェン)は英語で fantasy 。ちなみにファンタジックというのも英語としては誤りで fantastic(ファンタスティック)が正しい。
英独キメラの合成語として
「ブラックバイト」…black(英)+Arbeit(=労働:独)。日本語でいうバイト(アルバイト)は英語ではpart-time job。パートとバイトは日本語ではニュアンスが違うからややこしい。
「チョコバウム」…chocolate(英)+Baum(=木:独)。ただしBaumkuchen(=木のお菓子)は英語でもそのままで通じるらしいが。
「ザーネクリーム」…エーザイの商標だが Sahne(=クリーム:独)+cream(英)は 同義反復 でもある。
追記:
「キンダーブック」…Kinder(=子ども:独)+book(英)。フレーベル館発行の月刊誌。フレーベル館は「きんだーてれび」という番組の提供もしていたが、テレビはtelevisionまたはTVという英語起源だからこれも該当する。
追記おわり
「ペットアレルギー」…pet(英)+Allergie(独)。アレルギーは英語ではallergy(アラジー)。
ここで鉱脈に突き当たった。
ドイツ語の語尾-gieは、英語では-gyに対応する。この語尾を持つ単語は、多数、日本語に取り入れられているが、ドイツ語経由と英語経由が混在してカオスになっている。多分、戦前とか比較的古い時期にはドイツ語から、現在に至る比較的新しい時期には英語から入ってきたのだと思う。
日本語 ドイツ語 英語
エネルギー Energie energy(エナジー)
アレルギー Allergie allergy(アラジー)
イデオロギー Ideologie ideology(アイデオロジー)
デマゴギー(デマ) Demagogie demagogy(デマゴジー)
エコロジー Ökologie(オコロギー) ecology
トポロジー Topologie(トポロギー) topology
アンソロジー Anthologie(アントロギー) anthology
アナロジー Analogie(アナロギー) analogy
コンプリートしようと思ったら、かなり大きいリストになりそうな予感がする。
なおこの件については、maturi さんから

ホワイトベルグやブラックバイトは内ゲバやプチおかきと同様に英+独や日+独や仏+日 ではなく日+日と思っている、という仮説はどうでしょうか

http://b.hatena.ne.jp/entry/b.hatena.ne.jp/entry/240310630/comment/watto
という極めてごもっともなメタブクマコメを頂きました。感謝ですm(_ _)m
あとやはり maturi さんのご示唆ですが、フランス語経由もほじくり返したらけっこう面白いものが出て来そうな予感がします。しかし極めて残念ながら、こちらは私の手に余ります。はてなスターとブコメつけますから誰かやってください(報酬そんだけかい?

追記:
ブックマークコメントで、何人かの方からご指摘をいただきました。
"White Berg" ではなく "White Belg" でした。すみません、ミスです。
おそらく全部英語で、"White Belgian" (ホワイト・ベルジャン:白いベルギービール)の意のようです。大変失礼しました。
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