しいたげられたしいたけ

人権を守るには人権を守るしかない。人権以外の何かを守ることにより人権を守ろうとする試みは歴史的に全て失敗した

神社の境内で高い木に登って降りられなくなったネコを見た

適切なタグが思い当たらなかったので、また新設した。
目下、パソコン仕事の時間が長くなっている。運動不足をちょっとでも解消しようと、近所の神社への散歩を日課にしている。違う場所三か所ほどをローテーションしている。
先日そのうちの一か所の本殿に参拝したとき、どこかからニャーニャーというネコの鳴き声が聞こえた。
あまり良くない予感がした。境内のネコの鳴き声というと、トラウマになってしまった思い出があるからだ ⇒ http://watto.hatenablog.com/entry/20060520/p2
だが、鳴き声の出所を、ついつい探してしまった。鳴き方がひっきりなしで、どこか切羽詰まった尋常でない響きがあったからだ。
果たして境内の大きな木の上にネコがいた。上からとは思わなかった。地上から4メートルほどのところで幹が二股に枝分かれしていて、その股のあたりだ。
こっちを見ている。白黒ブチの、子猫ではないが小柄だったから多分若いネコだと思う。
幹は真っ直ぐではなく、ちょうどピサの斜塔のように斜めに傾いて伸びている。好奇心かなにかで登ったのはいいが、降りられなくなったのだろうか?
登れるかなと、直径1メートル近い幹に抱きついてみたが、私の身体能力ではとても登れない。
しばらく途方に暮れる。このまま放置するのは忍びない。だがどうしたらいいか何も思いつかない。消防車を呼ぶわけにもいくまい。
無力なことにおいてはネコも人間もあまり変わらないなと自責的なことを考えながら、ふと見回すと、本殿の側面に作り付けの棚が合って、ジュラルミン製の大きながハシゴが置いてあるのを見つけた。
なんでこんなうってつけのものがあるのだ? ハシゴと同じ棚には長い木材も何本か保管してある。神社のお祭りのときに、何という名前だったか幔幕のようなものを張り巡らせるためだろうか?
神社には悪いと思ったけど、無断借用させてもらった。非力だから、重くて運ぶのが大変だった。
スライド式で、そのままだと3メートルほど、伸ばすと5メートルにはなるだろう。しかし伸ばして固定する方法がわからなかったので、伸ばさずそのまま木に立て掛けた。
ハシゴの一番上まで上ると、頭がネコのいる木の股に届いた。フンの臭いがした。長いこと降りられずにいたんだろうか?
こっちを見ている。「おいで」と言ってみる。しがみついてくれればいいのにと思ったが、警戒してこっちに来ない。
「おいで」と手を伸ばしてみる。こっちに来るどころか、怯えてぴょんと一段高い枝の上に跳び移ってしまった。
万事休す。これ以上はどうすることもできない。ハシゴをそのまま一晩放置しておけば自力で降りられるんじゃないかと期待して、この日は立ち去ることにした。最初にネコがいた木の股からハシゴまで1メートル以上あるが、ネコの運動神経なら何とかならないだろうか。
翌日、ハシゴを片付けに神社を訪れた。もしまだネコがいたらどうしよう、ハシゴをいっぱいに伸ばして木に登るか、それとも誰か人を呼ぶか、いずれにしろ今度こそ覚悟を決めなきゃいけないなと思いながら。
ネコはいなかった。
けっこう長い時間をかけて、木の上のそこかしこを凝視したが、ネコはいないようだった。
ハシゴを元あった場所に片付けた。