🍉しいたげられたしいたけ

NO WAR! 戦争反対!Ceasefire Now! 一刻も早い停戦を!

【童話】スーとお花ばたけ(その4:完結)

蛇足

ストーリーは今回で完結です。「その1」のしょっぱなのブクマに、みどりの小野 さんから次のようなブコメをいただいて「ぎくっ!」としました。

【童話】スーとお花ばたけ(その1) - しいたげられたしいたけ

これは何の話を元にしているのか?今の所さっぱりなので次回が楽しみ!

2016/01/08 07:07

b.hatena.ne.jp

そろそろ気づいた方も少なくないと思います。次回は恒例(?)あらずもがなの自己解説をアップする予定です。

スポンサーリンク

 

 

24

スーはたずねました。

「どうしてこれが、あなたのいちばんだいじなものなの?」

イモムシは答えました。

「おれたちは、ちょうちょになるまえにサナギにならなければならない。

そのとき、サナギのじかんがみじかすぎると、はねができない。

サナギのじかんが長すぎると、体がぜんぶはねになってしまう。

だから目ざましどけいがだいじなのだ」

25

イモムシは言いました。

「おしえてやったぞ。こんどはおまえが、どうやってもようを作るかおしえるばんだ」

スーは言いました。

「いいわ、おしえてあげる。こうするのよ」

スーはししゅうのどうぐをイモムシからとりもどし、イモムシの目の前でししゅうをやってみせました。

「あなたには、できないでしょう」

「おれさまに、できないことはない」

26

「じゃあ、やってみせてくれる?」

スーはイモムシに、ししゅうのどうぐをわたしました。

イモムシは、とげのような、つめのような前足で、ししゅうをはじめました。

でも、なかなかじょうずにできません。

「くそっ、おれさまに、できないことはないはずだ」

27

イモムシがししゅうにむちゅうになっている間に、スーはイモムシのむねのところの、ふところのような合わせ目から、目ざましどけいをとり上げてしまいました。

そして、とけいのじかんを、うんとすすめました。

イモムシは、ししゅうをしながら、口から糸をふき出しました。

でも、ししゅうにむちゅうになって、気づきません。

28

イモムシは、ししゅうをしながら、とうとうきょだいなサナギになってしまいました。

スーはこんどは、とけいのじかんを、うんとおくらせました。

そして、ししゅうのどうぐをとりもどし、おうちめざしてにげかえりました。

30

「おこらないでね、おばあちゃん」

スーが山のむこうのお花ばたけであったことを、おうちの人たちにかたると、おうちの人たちはたいへんびっくりしました。

おばあちゃんは言いました。

「スーがぶじにもどってきてくれたのが、なによりだよ」

31

1か月がたちました。

スーと、スーのお父さんと、スーのおじいちゃんと、村の人たちは、てっぽうや、こんぼうをもって、山のむこうのお花ばたけにいきました。

スーの言ったとおり、きょだいなサナギがありました。

スーのお父さんが、ナタでサナギを切りさくと、中から、とってもきれいなぬのが出て来ました。

ぬのには、お花のもようと、ねずみのもようと、ねこのもようと、いぬのもようがありました。

やぎのもようと、ひつじのもようもありました。

32

村の人たちは、ぬのをたんものにして売りました。たんものはたかく売れ、村はちょっぴりゆたかになりました。

スーはぬののいちばんいいところをもらって、ドレスをいっちゃく作ってもらいました。

とってもきれいで、とってもかるい、すてきなドレスです。

33

でもそのドレスはとってもかるいので、スーがドレスをきて、うっかりしていると、ときどきふわりと空にうかびあがってしまうのが、こまったことです。

(おしまい)

f:id:watto:20160108225712p:plain

かわいいフリー素材集 いらすとや 様より

追記:

あらずもがなの自己解説です。

www.watto.nagoya

スポンサーリンク