しいたげられたしいたけ

空気を読まない。他人に空気を読むことを要求しない

細かすぎて伝わらない沢木耕太郎『春に散る』の『あしたのジョー』に対するオマージュ

沢木耕太郎『春に散る』最終回(505回)@朝日新聞2016年8月31日付朝刊より。

 風が吹くと、一昨日の雨にも耐え、散り残った花びらが空中に舞い上がり、陽光を浴びながらハラハラと降り注いでくる。

 美しいな、と思った次の瞬間、すっと通行人の姿が消えていくような気がして、胸に激しい痛みが走った。

 立ち止まり、息をつくと、運河沿いにあるベンチを眼で捜した。幸い、誰も座っていないベンチが近くにあった。土手から降りて、そこに崩れるように座った。

≪中略≫

 心臓の痛みが激しくなり、全身から力が抜けてくる。両膝〔ひざ〕の上に腕を乗せ、上半身を折るようにして耐えようとしたが、あまりの苦しさに呻〔うめ〕き声を出してしまった。 

ラストシーン直前の描写である。

オールドマンガファンの脳裏には焼き付いて離れない、あのポーズだよね。

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弊ブログでは『春に散る』に登場する『あしたのジョー』のパロディもしくはオマージュとおぼしきシーンについて、何度かネタにさせてもらった。ただしそれを踏まえたストーリー展開への予言は、ことごとく外れたが。

watto.hatenablog.com

他にも、物語のクライマックスである主人公の愛弟子の世界タイトル戦が、判定で決着するということも、古いマンガを踏まえている、あるいはリベンジと解釈できると思う。『春に散る』の単行本は来年1月1日に出版されるそうだから、両方の単行本を並べて読み比べたら、ネット語でいうところの「細かすぎて伝わらない」オマージュのコレクションは、けっこうな分量になるんじゃないかと思う。

追記:

正直に告白すると、ビッグワードには縁のない弊ブログとしては珍しく「春に散る」+「あしたのジョー」の検索結果はトップに出る。連載終了により今後この経路からの検索流入は細る一方であろうから、この際検索ヒットを稼げるだけ稼いでおこうというせこい動機によるエントリーである。

追記の追記:

iirei さんの記事 d:id:iirei:20160904 を読んでいて気づいた。画像を貼るのは著作権的にNGだが(といいつつグレーなことは過去にちょくちょくやっているが)、商品イメージを貼るという手があったのだ! というわけで、遅まきながらこれを貼る。アイキャッチ画像も変更した。

あしたのジョー ソングファイル ( サウンド・トラック ) TKCA-72506-K