しいたげられたしいたけ

空気を読まない。他人に空気を読むことを要求しない

『崖の上のポニョ』は宗介の夢でポニョは最初から人間の女の子だという月並みな結論

ツイッターをマクラに使わせてもらうことが増えたが、前々回も書いた通り実は未だにツイッターの使い方がよくわかっていない。膨大なタイムランが流れてきては、そのまま流れ去ってゆく。たまたまアクセスしたときに、上位にあるツイートにいくつか目を通すだけだ。こんな使い方でいいんだろうか?

偶然目にした他人のツイートをきっかけに、考えがいろいろ広がることがある。そのまま流してしまうのはもったいないと感じ、せめて自分のブログにまとめようと思いつつ、生来の怠惰さが災いしてなかなか実行できない。ブログにまとめたところでネットの海の中では大同小異に違いないが。

今回は おおた@hamashuhu さんの、このツイートに乗っからせてください。おおた さんのブログの、感性豊かなレビューも毎回楽しませてもらっています。

このツイートに対して、次のようなリプライを返したら、ウケてもらえたらしい。

それから何度かやりとりがあったが、それだけでは物足りなかったので、エントリーにまとめようと思いながら、気づいたら一週間経ってしまっていた。

以下、ネタバレを含みます。念のため。

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「宮崎駿が海を知らない」と断じたのは、次のような理由によってである。

まずポニョと宗介の初対面のシーン。空きビンに頭を突っ込んで取れなくなったポニョを、宗介がひっぱって助けようとするのだが、アニメで描かれるあの触感は、ぜってー生きたサカナのものではない。サカナは固くてヌルヌルしているのだ。

それからポニョを入れたポリバケツを水道水で満たそうとするシーンにも、違うだろと思った。浸透圧が違うから、海水魚を淡水の中で生かしておくことはできないのだ。

いろいろ指摘していたらキリがないので、もう一つだけ。後半で、ポニョと宗介が魔法で大きくしたオモチャの船にのって、海水びたしになった町の中に漕ぎ出してゆくシーンがあった。あんな底の浅い船の上で、ポニョがあんなに激しく動き回ったら、船はたちまちひっくり返ってしまう。

すでに今回のタイトルでネタバレしてしまっているが、これらは全て宗介の夢だと解釈するのが、月並みだけどいちばんすんなりするのではないだろうか? 5歳の幼児でも、プールの中では息ができないし鼻から水が入ってきたらツンとする。そのくらいのリアリティは認識できるものだ。水の中でも息ができ、鼻から水が入ってもツンとしない世界といったらどこだろう? 布団の中だ。みんなそんな夢を見た記憶はないだろうか。

そしてポニョは人間の女の子だ。もしポニョが魚だったら、サンドイッチのパンとハムのどちらを好むだろうかとか、熱いラーメンをすすれるだろうかとか心配しなければならないが、最初からポニョが人間だと考えれば、そんなことを悩む必要はなくなる。

ポニョが、「金魚」→「カエルだかトリだかわからん手足を生やした生き物」→「リアルな手足を持った人間」という変態をとげるのは、どういうことだろう? 我々は初対面の相手に対しては、まず容貌の特徴を認識する。そして大抵は、内心「変な顔」と感じる、容赦なく! そして次に会った時からは、その初対面の「変な顔」と思った記憶を呼び出して、「あ、この人は○○さんだ!」と識別するのである。それを幼児期特有の感受性の高さを勘案して誇張すると、ちょうどあんな実感になるのではないだろうか?

ポニョの父のフジモトの正体は何だろう? 母のグランマンマーレの正体は何だろう? ポニョの大量の弟妹たちは? ポニョがブリュンヒルデという外国人の名前のような本名を持っていることは、どう解釈したらいいだろうか? これらは大人の視聴者にとっても、よくわからない。だがこれらもまた、視点を5歳の男の子の宗介に置いて、何か自分にはわからない大人の事情があるのだが、フジモトとグランマンマーレの家族のうちポニョだけが自分の家に身を寄せることになったと考えるのが、いちばん腑に落ちるように思われる。

要するに、「わからない」のが正解なのだ。

幼いころひんばんに遊びに行ったり来たりしていた親戚の子が、自分とどのような続柄にあたるのか理解するのはだいぶ長じてからというのは、誰しもあるあるじゃないだろうか? あるいは近所に住んでいて、なんの抵抗もなく仲良くしていた年の近い友達が、なんらかの事情で離れていつの間にか会えなくなってしまったという記憶も。

ネットを検索すると、「宗介」「フジモト」「グランマンマーレ」「ブリュンヒルデ」の出典はなにかという詮索が出てくる。それはそれで面白いが、おそらくつまみ食いで深い意味はないだろう。前二者は純和風、「グランマンマーレ」はラテン風、「ブリュンヒルデ」はゲルマン風の名前だし。

『人魚姫』という誰もが思い出す相似形もあるけど、あちらはバッドエンドだしあんまり牽強付会したくないなぁ…つまり今回は、だいたい自分の好悪だけを判断基準に置いて論じてます。いつもそんなもんか。

今回のエントリーで一番苦労したのは、オチである。書き始めた時の予想に反して、あまりにもすんなりまとまってしまったので。アイキャッチもどうしよう? 困ったときの いらすとや さん頼みということで、いらすとや さんのところで「金魚」で画像検索してみた。そうしたら、金魚以外に、こんなものも出てきた。さすが いらすとや さん。何でもあるなぁ。「これ、いるでしょ」ということで、オチ兼アイキャッチ画像として貼ってみよう。

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