しいたげられたしいたけ

空気を読まない。他人に空気を読むことを要求しない

ブラックバイト問題に関して ブラックバイト対策弁護団@bbbengodan 所属の弁護士さんからレクチャーを受けた

「ブラックバイト」に関しては、過去に一、二度弊ブログの記事にしている。先週末に私が加入している非正規労働者向け地域ユニオンで、「ブラックバイト対策弁護団あいち」というところに加入している弁護士さんを招いてのレクチャーが行われたので、聞いてきた。

www.watto.nagoya

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今回も先に結論を書いてしまうと、下に示すブラックバイト対策弁護団のツイッターアカウントに、相談先の電話番号やメールアドレスがありますので、思い当たる方は相談してください、ということです。

twitter.com

以下、レクチャーでもらった資料を手元に、概略を書いてみる。

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ブラックバイトの定義は、命名者の大内裕和中京大学教授によると「学生であることを尊重しないアルバイト」とのこと。大内教授がゼミの学生に合宿や懇親会を提案したところ、バイトの都合で参加できないと申し出る学生があまりにも多く予定が立てられなかったことから、「これはおかしい」と気づいたのだそうだ。そこで学内でアンケート調査を行い、その結果をFacebookで公表したところ、「私もそうだ」と次々と反響を呼んだとのことだった。

ブラックバイトが蔓延した背景に

  • 教育費、とりわけ国立大学授業料の高騰
  • 国際的に見て低い教育に対する公的財政支出
  • 世帯収入の伸び悩み(ズバリ「親世代の貧困」)

などがあるとのこと。誰もがどこかでグラフを見たことがあると思う。

それに加えて、労働法に関する学生側の知識不足、使用者側の企業倫理の欠如などが、状況の悪化に輪をかけているという。

資料にはなかったが、私が仄聞したところによると、バイトを管理する社員もブラック労働を強いられているところが多いように思う。自分がブラックな環境下で仕事をしているから、自分の管理しているバイトにも自然とそれを押しつけるのだ。

事例に関しては、資料の文章をそのまま引用させていただきます。

【事例】
*タイムカードを切った後に閉店作業を行うが、その分は無給。
*シフトの希望を予め提出するが、無視してシフトを決められてしまう。テスト前に休みたいと言っても受けつけてもらえない。休むためには、代わりのバイトを自分で探さなければならない。
*シフトが曜日固定制のため、自分の試験日でも休めない。
*シフトの管理・作成、商品の返品・交換などもアルバイトがやっている。
*居酒屋で、午後3時半に仕込みに入り、午前4時まで休憩なし。
*塾で、授業時間にだけしか給料が払われない。保護者との面談、塾の運営会議、テキストの作成や課題の添削などは無給。自分の担当する生徒の成績が悪いときは補講も無給。
*店舗に正社員がおらず、クレーム対応はバイトリーダーが行う。
*飲食店で、ケーキ販売にノルマがあり、未達の場合は給料天引きで買取させられる。
* 「辞めたい」と申し出ても、「賠償請求する」などと脅されるか、「君が辞めたら店が回らない」と泣きつかれて辞めさせてもらえない。

これらは明らかに労働法違反なのだが、学生側にそういう知識がなかったり、知識があったとしても、法に基づいて自分の権利を回復するやり方がわからなかったりする。後者は社会人でも難しいけど。

それに加えて「やりがい詐欺」のような、まじめで責任感の強い学生ほど本来バイトの業務ではない役割まで押しつけられる傾向にあるという。

資料にはなかったが、さらに付け加えるなら、若い人ほどユニオンに参加したり相談したりすることを怖がる傾向があるように感じる。ぶっちゃけ「サヨクに違いない」というわけだ。本人がさほどでなくても、周りが「そういうところはやめときなよ」と言ったりする。そして事情をよく知らないまま、会社側の味方をしたりする。ブラック企業から見ると、これほど都合のいいことはないのだが。

   *       *       *

それではもし相談しらどうなるかだが、たいていは電話対応だけで事足りるのだそうだ。特に悪質な事例として、会社側から学生に対して、損害賠償請求が行われたケースが数例あったそうだが、それでも弁護団から弁護士名義で文書を出したら引き下がったとのことだった。

実際に裁判まで発展したケースは、ほとんどないとのことだった。ただしもし裁判をやるとなると、多額の費用が発生するので、手弁当でやっている弁護団だけでは対応が難しくなるそうだが。

そんなで最初に書いた結論の繰り返しだが、もし周囲に「ブラックバイト」が疑われる本題に直面している人がいたら、臆せず上掲ツイアカの連絡先に相談してくださいということです。中部地区以外の連絡先は「Consulting | ブラック企業対策プロジェクト」にある。

弁護団に相談が来た気の毒な事例として、本人が失踪してしまい親御さんから電話があったケースがあるとのことだ。シフトを外せず試験を受けることができなくなり、追い詰められてバイトも学校も放り出して、遠くの友人の家に身を寄せているところを発見されたそうである。

弁護士やユニオンに相談が持ち込まれるケースに、当事者の適応障害や、もっと言えば発達障害が関係していそうなのは「あるある」ということでレクチャー後の話が盛り上がったが、私の勉強不足、理解不足があるのでこちらの話題への深入りは控えておく。

ブラックバイト 増補版: 体育会系経済が日本を滅ぼす (POSSE叢書 Vol. 2)

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ブラックバイトに騙されるな!

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