🍉しいたげられたしいたけ

NO WAR! 戊争反察Ceasefire Now! 䞀刻も早い停戊を

自炊の䜙犄創䜜を掚進する最重芁゚ネルギヌの䞀぀はパクリじゃないかずいうこずその完結

あくたでも私の堎合であるが、「自分で創䜜したい」ずいう情熱を最も匷く芚える堎合の䞀぀が、䜕かしらの䜜品を鑑賞しお、「ここはそうじゃないだろう」ずか「ここはこうしたい」ずか䞍満を感じた時だ。断っおおくがそれはその䜜品に察する吊定ではなくお、むしろ䜜品により倧いに心を動かされた堎合に、そういう情動が生じるこずが倚い。

匊ブログにその断片぀か゚スキヌス䞋絵を瀺したこずも、䜕床かある。

叞銬遌倪郎『項矜ず劉邊』、およびそのコミカラむズである本宮ひろ志『赀韍王』に、高祖が秊の瀟皷を陀いたずいう堎面が描写されおいないこずに察しお、自分ならこう描くず考えたのが、こちらの゚ントリヌ ⇒「謎解き日本のヒヌロヌ・䞭囜のヒヌロヌ䞭囜線その 」

『アナず雪の女王』を芳おハンス王子の挙動にいかにも䞍自然なものを感じたので、぀じ぀たの合いそう()な解釈を考えおみたのが、こちら ⇒「『アナず雪の女王』ハンス王子いい奎説ずいうのを半ば本気で䞻匵しおみる。そしお思い出した意倖な人物」

今回は、隆慶䞀郎『圱歊者埳川家康』をダシに、そういうのをやっおみたい。

圱歊者埳川家康〈䞊〉 (新朮文庫)

圱歊者埳川家康〈䞊〉 (新朮文庫)

 

 『圱歊者』終盀近くで、次のような人物が登堎する。

 その異様な男の出珟に最初に気づいたのは六郎である。颚斎でさえ気づかなかった異倉をいち早く察知したのは『䞍動金瞛りの法』に粟進した六郎の勘働きだった。
 手足が恐ろしく長い男である。それに范べお顔は小さく、それほどの霢でもなさそうなのにひどく皺がよっおいた。県が䞞く、善人を絵に描いたような顔だ。総䜓に猿ず云うより蜘蛛に䌌おいた。その男が突然六郎たちの頭䞊から降っお来た。
 男の所䜜が異様だった。
 着地するなり、六郎に察しお平䌏したのである。次いで忍び刀を鞘ごず抜いお前に眮き、手裏剣や撒き菱を蔵めた道具袋も腰からはずし、忍び刀ず䞊べお眮いた。
 これは無抵抗のしるしである。
≪䞭略≫
「手前、䜐助ず申したす。猿飛ずも云われたす」

『圱歊者埳川家康〈䞋〉 (新朮文庫)』P245246 改行䜍眮倉曎したした。ルビ省略したした。

 六郎ずいうのは、フルネヌムらしきものは「甲斐の六郎」ずいい、『圱歊者』の最重芁登堎人物の䞀人である。

甲斐の六郎は元は歊田家に仕える忍びで、島巊近の呜を受け、関ヶ原で埳川家康の暗殺に成功する。その埌、耇雑な経緯があっお、家康の圱歊者であり本線の䞻人公である䞖良田二郎䞉郎の護衛ずなっおいる。「その」の匕甚郚に出おきたくノ䞀おふうの倫でもあり、おふうの父は颚魔䞀族の長、小倪郎である。

『圱歊者』の物語䞖界では、最倧の敵は、家康の息子、秀忠である。秀忠はむろん関ヶ原以降の家康の正䜓が圱歊者の二郎䞉郎であるこずを知っおおり、倩䞋が定たらぬうちは家康の巚倧なカリスマ性を利甚したくお圱歊者を廃するこずはできないが、機䌚あれば二郎䞉郎をなきものにするこずを狙っおいる。

ニ郎䞉郎ず巊近、六郎が共同戊線を匵るのは、倧坂の豊臣秀頌を守るためである。䜐助が、䞻君、真田幞村の呜を受けお六郎のもずを蚪れたのは、二郎䞉郎が秀頌をかばっおいるこずに謝意を䌝えるためず、秀頌を陥れようずする秀忠およびその配䞋の柳生宗矩に察抗する戊略を講じるためである。

だが二郎䞉郎ず幞村の努力もむなしく、秀忠の策謀ず倧坂方の自滅により、圢勢は東西手切れず開戊ぞず傟いおゆくのである。

なお、䞊掲匕甚郚の少し前に、甲斐の六郎は戊闘により片腕を倱っおいる。たた匕甚郚埌の六郎ず䜐助の䌚話の䞭に、霧隠才蔵の名前だけが登堎する。

ここたでが倧雑把なあらすじ。ただし「その」で『春の雪』を「䞻人公が宮家に茿入れの決たったヒロむンを劊嚠させた」ず芁玄したのず同皋床の雑さであるこずは、ご承知おき願いたい。

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さおここで『圱歊者埳川家康』に察するむチャモンを述べる。倧坂倏の陣ず蚀えば、倩王寺口の本陣前決戊である。豊臣方が狙うのは家康の銖䞀぀。『圱歊者』の物語䞖界では、䞖良田二郎䞉郎の銖ではあるが。党軍が「錐ずなっお」ずいうのは、誰しも䜿う比喩である。史実ずしおは、家康本陣にもっずも迫ったのは、真田隊ではなく毛利勝氞隊だったそうだが。フィクションにおいおはい぀も圱が薄い勝氞を、なんずかしたいず垞々思うずころではあるが、今はさお眮く。

二郎䞉郎 v.s. 幞村、あるいは二郎䞉郎 v.s. 猿飛䜐助の盎接察峙を描かんのかい

せめお䜐助、才蔵の最期を描かんのかい なぜなら倩王寺口決戊盎前に、次のような描写があり、倏の陣の時点で圌らが健圚だずいうこずが刀明しおいるからである。

 五月六日の倜、幞村は頌みにしお来た猿飛䜐助、霧隠才蔵等の忍びをすべお攟ち、情報を集めさせた。狙いは只䞀぀。家康がどの方面に打っお出るかである。
 この倜、河内の枚岡に泊たった二郎䞉郎の本陣で明日の合戊の配眮が発衚された。総叞什官である秀忠の軍勢は岡山口に、二郎䞉郎の軍は倩王寺口に向う。二郎䞉郎の軍は曎に分れお、本陣は茶臌山に向うず云うこずになった。
 忍びの報告を受けた幞村は、自らその茶臌山に陣を垃く決意をした。

䞊掲曞 P390 改行䜍眮倉曎したした。ルビ省略したした。

私だったらこう曞く。二郎䞉郎は本陣で、十重二十重の芪衛隊に護られおいるずは蚀え、錐のようになっお襲っおくる敵兵が囲みを突砎しお、たった䞀人、あるいは二人の刺客を突入させる可胜性は吊めない。ちょうど本物の家康が物語劈頭の関ケ原においお、たさに甲斐の六郎単階によっお暗殺されたように。

さらに秀忠は、隙あらば倧坂方の仕業に芋せかけお二郎䞉郎を蚎たせようずいう意図の䞋、配䞋を二郎䞉郎の護衛に割り蟌たせおいる。すなわち二郎䞉郎は腹背に敵を受けた状況䞋にあるのだ。史実ずは異なるが、その指揮官に柳生宗矩を充おおもいい。たかだか䞀分隊の指揮官ずしおは、倧物すぎるか 尉官の仕事を将官がやるようなもの たあいいや。

それら敵から二郎䞉郎を護るには、遞りすぐりのボディガヌドを至近に配眮するしかない。その任に圓たるのは、颚魔小倪郎ず甲斐の六郎である。

 

案の定、真田隊は、赀備えの正芏軍を正面に圓おるず同時に、怪人ぞろいの別動隊が、二郎䞉郎の芪衛隊を翻匄し、匕き離しにかかる。剛力無双の怪僧、槍の名手、火遁の䜿い手 圌らは惜しげもなく自らの技を披露し぀぀、数に勝る二郎䞉郎芪衛隊の、あるいは銃匟に斃れ、あるいは槍に貫かれお、呜を散らしおゆく。

そうしお匕き離した芪衛隊を、癟発癟䞭の狙撃者があたら捚おがたりの戊術をずり牜制しおいるわずかの隙に、たった二人の刺客が、二郎䞉郎を襲う。䜐助ず才蔵である。

䜐助はあらゆる䜓術の名手、才蔵は、芋たものは必ず死ぬので誰も知る者のない必殺技の持ち䞻ずいう蚭定にする。

「やはり貎様らが来たか」六郎が䜐助ず、小倪郎が才蔵ず察決する。

 

六郎の必殺技「䞍動金瞛りの法」は、䜐助には圓然通甚しない。䜐助が自分ず同じ術を繰り出し、それが自分より匷力であるこずを察知するず、すぐさた他の戊法に切り替える。

原䜜にはないが、六郎の巊腕には、指先に短筒、二の腕に仕蟌みの短刀などの仕掛けがあるものずする。だが䜐助にずっお、六郎の巊手が矩手であるこずを芋抜くのは造䜜もないこずだ。銃匟をかわし短刀を折り、六郎の背埌を取っおクナむを銖筋に抌し぀ける。ためらいなどない。そのたた頞動脈を切断する぀もりである。

だがクナむは肉厚だが刃が鈍い。それが皮膚を砎るのに必芁ずするわずかの時間に、六郎の右手が、埌ろ手に䜐助の銖に巻き぀く。

この䜓勢では力は入らない。だがそれで十分なのだ。

須臟の間に、䜐助は六郎の意図を悟る。「銬鹿な そちらは健垞な手だろう いや、俺が甘かったのか」

六郎はかすかに埮笑み、掌に瞫い蟌んであった匷力爆薬を爆発させる。おのが右手ず䜐助の頭を吹き飛ばすのである。

 

いっぜう才蔵ず小倪郎、そしお二郎䞉郎。才蔵は二郎䞉郎に狙いを定め、小倪郎は二郎䞉郎をかばっお䞡者の䞭間に立぀。

初手から才蔵の必殺技が炞裂する。才蔵の黒ずくめの衣装の䞋には、長さの異なる鎖分銅が仕蟌たれおいお、爆薬の力で八方に飛散させるのだ。

分銅からは、飛散ず同時に猛毒を塗った爪が露出し、わずかでも傷぀けば呜はない。鎖は十分長く、走っおは逃げきれない。

これが、芋たものは必ず死ぬ「霧」の正䜓であった。

必然性は薄いが、才蔵はくノ䞀ずいうこずにしよう。この術を䜿うず、装束はすべお砎れ党裞ずなる。背䞭に負った鎖を぀なぎずめるための鉄環を陀いお。

小倪郎は、術の正䜓を知った瞬間、背埌の二郎䞉郎に向けお絶叫する「䞻䞊、我を貫きたたえ」

二郎䞉郎のアむデンティティは「歊士」である。鉄砲は恐ろしかろう。火は熱かろう。毒は苊しかろう。だが歊士にずっお、至䞊の歊噚は剣である。剣こそが最匷ず信じるからである。二郎䞉郎は抜刀し突進する。

死䞭の掻は正面のみ。二郎䞉郎の剣は味方の小倪郎ず裞身の才蔵を貫き、猛毒の爪の分銅はすべお背埌に萜ちる。

 

柳生宗矩の配䞋は二郎䞉郎に向けお鉄砲を構えながら、この戊闘を目撃する。やがお鎖の塊ず二぀の骞の間から、二郎䞉郎ただ䞀人がゆっくりず立ち䞊がる。鬌の圢盞である。それに恐怖しお、誰も匕金が匕けない。宗矩は「攟お、攟おぃ」ず絶叫するが、おびえ切った鉄砲兵の耳には入らない。

䞀呌吞遅れお、血たみれの六郎がよろめき駆け寄り、鉄砲隊の前に立ちはだかる。そしお共に先が倱われた䞡腕を広げお、二郎䞉郎の盟ずなるのだ。やはり圢盞は鬌。

たすたす恐れおののいた鉄砲兵は、誰も動けない。ええい、ずばかり宗矩は、隣にいた兵の鉄砲を奪い、自ら照準を定めようずする。だが手が震えお定たらない。

そこぞようやく隊列を敎えなおした芪衛隊の生き残りたちが駆け぀け、二郎䞉郎を囲むのである。

 

こんなのを元ネタから切り離しお、独立した䜜品に仕立おられたら、オリゞナルの創䜜っおこずになりたせんか誰に蚊く

                 

原䜜に䞍満があったからずいっお、それを基にストヌリヌが䜜れるずは限らない。これも事䟋が倚すぎお、具䜓䟋を䞀぀二぀出す方がかえっお䞍自然なくらいだが、こんなこずを最初に思い出した。

宮郚みゆきに『荒神』ずいう䜜品がある。ラスト近くでヒロむンの朱音が、ストヌリヌ䞊の必然性あっお党裞になるシヌンがある。宮郚はその情景を、そっけなくしか描いおくれなかった。

『荒神』は朝日新聞朝刊の連茉小説で、私は新聞連茉時に読んだ。挿絵は『この䞖界の片隅に』のこうの史代だった。あの絵柄で、ヒロむンの党裞シヌンを描いおもらえるものならぜひ描いおほしいず思ったが、ぜっおヌ叶わぬ倢だわなぁ。

荒神 (新朮文庫)

荒神 (新朮文庫)

 
荒神絵巻

荒神絵巻

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