🍉しいたげられたしいたけ

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宗教

あまり自信ないまま言うのだが霊感商法への対抗方法として伝統宗教にある程度の力があるのではないか(その3)

なかなか手がつかないと言いながら、書き始めてみると今度はいくらでも書けてしまいそうでキリがない。 もし知識がなかった人が 前回の拙記事 を読まれたら、どんな感想を抱かれただろう?「信じられない」「荒唐無稽」といったところだろうか? 浄土三部経…

あまり自信ないまま言うのだが霊感商法への対抗方法として伝統宗教にある程度の力があるのではないか(その2)

前置きばかり書いているといつまでたっても本題が書けないので、とっとと書き始めてしまおう。 浄土教の根本経典である浄土三部経、すなわち『無量寿経』、『観無量寿経』、『阿弥陀経』に描かれた来世すなわち死後の世界の姿の紹介である。浄土教とは唐の善…

あまり自信ないまま言うのだが霊感商法への対抗方法として伝統宗教にある程度の力があるのではないか(その1)

前回の拙エントリー は、別の場所での発言をまとめただけにもかかわらず多くの閲覧、はてなスター、はてなブックマークコメントを頂き感謝しています。ありがとうございました。 前回拙記事の最後は「次回に続く」みたいなことを書いたが、書きあぐねている…

不幸のさなかにある人の弱った心につけ込む霊感商法は絶対に許せない!

もともとは2日ほど前にツイッターのFFさんとDMでやりとりした内容ですが、相手のことは伏せて表のツイートにも流しました。このさい自ブログにも同じ内容をまとめます。 私の旧統一教会(現世界平和統一家庭連合)への批判的なブックマークコメントやツイー…

森三樹三郎『梁の武帝―仏教王朝の悲劇』(法蔵館文庫)

久しぶりのマイ書評。老眼の進行とともに読書量が極端に落ちている。 もう十年以上前になるが、急性仏教かぶれを発症して仏教関係書をいろいろ読んだことがある。 仏教の篤信者として知られた中国南朝梁の皇帝・武帝についても知りたくなって関係書を検索し…

一部意外と早く出た分散初詣の答え合わせと「DNAに組み込まれた初詣」とは?

前回の拙エントリーに「初詣の参拝者数は三が日が終わるか松が明けるかの頃に、各社から報道されるだろう」と書いたが、1月3日付朝日新聞朝刊に早くも元日の速報値が掲載されていた。 digital.asahi.com 名古屋本社版には熱田神宮のレポートも載っていたが、…

分散初詣の答え合わせはまた何日か後ということになるだろうか?

名古屋市の 河村たかし 市長の言動に対しては、本気で腹を立てている。 新型コロナウイルス対策をなおざりにしてリコール騒動なんぞに血道を上げ、名古屋市部における感染の拡大を招いたり、昨春の特別定額給付金は一時期 支給率特別区と政令指定都市中ワー…

「無財の七施」(カネがなくてもできる七種の布施)第七「房舎施」(寝るところを貸す)について

ベトナム人技能実習生たちの駆け込み寺こと大恩寺@埼玉県への「はてなー」さんたちによる支援プロジェクト「Let's大恩寺!」に、コタツ記事ならぬコタツエントリーを書きリンクを貼って勝手に応援しているシリーズです。前回はこちら。 www.watto.nagoya あ…

Wikipedia"「白い象」はなぜ厄介か?"

わざわざ自ブログにエントリーを立てるまでもなく、ウィキペディアの項目へのリンクを貼れば済むことではあったのだが… タイの王は昔、自分の嫌いな家臣に白い象を贈った。贈られたほうは、白い象など珍しいもので、しかも王から贈られたものだからまさか捨…

『金剛般若経』にチラ出する悪王の詳しい物語が『大乗涅槃経』中にあるのを見つけた

閲覧注意です。仏典には、目を潰したり手足を斬ったりするグロい話が、案外たくさんある。 『金剛般若経』は岩波文庫と中公文庫に収録されており、仏典を読んでみようと思った人の多くが早い時期に手に取りそうなものの一つではないかと思う。 そのうちのご…

仏教における「しっと・妬み」について

一週間ほど前のことです。2012年10月8日付拙記事 に、b:id:nekoseijin さんからブックマークコメントにて質問をいただきました。引用失礼します。 黄檗山萬福寺〔おうばくざんまんぷくじ〕〜宇治平等院〜浄瑠璃寺〜岩船寺〔がんせんじ〕と回ってきた - しい…

法華経における「釈迦出世の本懐」を一言で表すとしたら「衆生を悟りに導く」しかないのだけど…

今回は批判から入ります。森下礼(id:iirei)さんの、この記事ですが… iirei.hatenablog.com 一部、引用します。 なお、法華経に言う「釈迦の出世の本懐」をストレートに言えば「殺すため」となるが≪後略≫ 『法華経』は岩波から文庫3分冊、中公から2分冊で現…

行間(ゼロ文字)に足掛け5ページ約2000文字の解説を施した例について

本筋ではない枝葉末節に反応する性癖がある。 「自炊」による蔵書の処分を少しずつ進めているが、その間に昔読んだ本をたまに再読することがある。今回は坂東性純『浄土三部経の真実』を読み返した。私は NHKライブラリー版 で読んだが現在は版元品切れで、A…

親鸞「正像末和讃」の元ネタがネットで検索できたこと

読書メモです。長らく積ん読していた本を、少しずつでも読もうとしている。 坂東性純『親鸞和讃 信心をうたう』(NHK出版) を、ようやく読んだ。私が読んだ NHKライブラリー版 は、とっくに版元品切れになってしまっているではないか! 以下、ページは NHKラ…

中公文庫『大乗仏典(12)如来蔵系経典』所収『不増不減経』の構造はカント哲学とそっくりではないか?

あいかわらず蔵書の「裁断機でバラす」→「ScanSnap で電子化」(いわゆる自炊)という処分を、ちびりちびりと進めている。 そのうちの一冊『大乗仏典〈12〉如来蔵系経典』(中公文庫) をバラした際、同書に収録されている短い経典をいくつか読み返した。 確か…

「貧者の一灯」の原典『阿闍世王授決経』の現代語訳がネットで見当たらなかったので私訳してみた(その3:完結)

少しだけ舞台裏を公開します。本当は訳していると、いろんなことがあるんですが、読んでくださる方には関係のないことなので。 前々回の「その1」の原文に、「隨藍風」という単語が出てきました。当初「藍風」と区切って「青い風」と訳しましたが、記事公開…

「貧者の一灯」の原典『阿闍世王授決経』の現代語訳がネットで見当たらなかったので私訳してみた(その2)

前回の「その1」に、『阿闍世王授決経』の原文はパソコンのブラウザ1画面に収まってしまうほど短いものだが、野村耀昌『仏教説話百選』(学習研究社)ではそれを足掛け8ページかけて現代語訳していると書きました。野村訳では、原文にない表現を想像で膨らま…

「貧者の一灯」の原典『阿闍世王授決経』の現代語訳がネットで見当たらなかったので私訳してみた(その1)

happy-ok3 さんが最新(10/8付)の記事で、北海道胆振東部地震の被災地に総額9億円の寄付をした篤志家を取り上げていました。 d.hatena.ne.jp もちろんこの行為に対しては、感嘆と尊敬以外にないのですが、誰もが億単位の寄付をできるわけではありません。私…

異なる仏典に同じ仏名や似たようなエピソードがしばしば登場することについて(その3:完結)

3回もかけてやるネタでなかったかも知れない。今日では一般にあまり知られている内容とは言えないから、拙い説明を加えながら書いていたので、長くなってしまった。たいした結論ではないが一旦結論づけて、そのあとでまだ結論がつかないで温めているネタを、…

異なる仏典に同じ仏名や似たようなエピソードがしばしば登場することについて(その2)

『維摩経』「菩薩品」に続く「問疾品」では、結局断り切れなかったマンジュシュリー(文殊)菩薩が、維摩詰居士の病気見舞いに行くことになった。すると断ったはずの八千の菩薩衆、五百の声聞すなわち仏弟子、さらには百千の神、天人、天女など人ならぬ者た…

異なる仏典に同じ仏名や似たようなエピソードがしばしば登場することについて(その1)

仏典をちびりちびりと読む趣味がある。8月4日のエントリー を書いたのがきっかけで、以前からまとまったらネタにしようと思いつつ、まとまらなかったのでまだ書いていなかったネタがあったことを思い出した。まとまるのを待っていたら、いつのことになるやら…

信長よりはるか昔の2500年くらい前からずっといぢられていた人物が存在することについて

こちらの大人気エントリーに便乗させていただきます。 honeshabri.hatenablog.com 本編はもちろん、ブコメも読みでがあった。まだ誰もコメントしてなさそうなことを一点コメントさせていただくと、オチに『戦国自衛隊』の書影だけを貼るセンスも抜群だと感じ…

「完全なる神と不完全な人間」という二分法が、我々の心を楽にしてくれることがあるんじゃないかと思った

あんまりまとまってないです。「お前のエントリーできちんとまとまったものがあるのか?」という突っ込みは黙殺する。 「人間は二分法により世界を認識する」という考えは、一般にもわりと広まっているように思う。私の以前のエントリー「もし同性愛を「キモ…

プラトンの『饗宴』と仏典『法華経』の構造が似てるんじゃないかと思っている

1月12日のエントリー に、オチが同じじゃないかと思っているフィクションを何組か挙げた。ちょっと昔のエントリーだが、2008年1月27日のエントリー には、源信『往生要集』の構造がダンテ『神曲』と似ていると言われることの他に、仏典『観無量寿経』の構造…

鎌田茂雄『観音のきた道』(講談社現代新書)

観音のきた道 (講談社現代新書)作者: 鎌田茂雄出版社/メーカー: 講談社発売日: 1997/02メディア: 新書 クリック: 1回この商品を含むブログ (1件) を見る観世音菩薩(観自在菩薩)の来歴を仏典までさかのぼり、朝鮮半島・中国・チベット・台湾・シンガポール…

橋爪大三郎、大澤真幸『ふしぎなキリスト教』(講談社現代新書)

ふしぎなキリスト教 (講談社現代新書)作者: 橋爪大三郎,大澤真幸出版社/メーカー: 講談社発売日: 2011/05/18メディア: 新書購入: 11人 クリック: 184回この商品を含むブログ (138件) を見るキリスト教のことをちょっと復習したいなと思って、読んでみた。確…

徳善義和『マルティン・ルター―ことばに生きた改革者』(岩波新書)

マルティン・ルター――ことばに生きた改革者 (岩波新書)作者: 徳善義和出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2012/06/21メディア: 新書購入: 1人 クリック: 25回この商品を含むブログ (10件) を見る印象深かったのは、ルターの信仰のかたちを決定づけたという「…

仏教というものの捉えどころのなさについて

龍樹 (講談社学術文庫)作者: 中村元出版社/メーカー: 講談社発売日: 2002/06/10メディア: 文庫購入: 12人 クリック: 81回この商品を含むブログ (46件) を見る中村元『龍樹 (講談社学術文庫)』 へのマイ書評です。マイ書評は完読した書籍を対象としたいという…

末木文美士『日本仏教史―思想史としてのアプローチ』(新潮文庫)

日本仏教史―思想史としてのアプローチ (新潮文庫)作者: 末木文美士出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1996/09/02メディア: 文庫購入: 11人 クリック: 99回この商品を含むブログ (57件) を見る現代仏教学の大家をつかまえて不遜な物言いだが、この著者の問いの…

続・活字から得た知識は案外あてにならないということ

神も仏も大好きな日本人 (ちくま新書)作者:島田 裕巳筑摩書房Amazon直近に読んだ本から。 島田裕巳『神も仏も大好きな日本人 (ちくま新書)』 タイトルからはすぐには想像できないけど、日本の宗教はもともと「神仏習合」ということで仏教と神道がほとんど一…