しいたげられたしいたけ

空気を読まない、他人に空気を読むことを要求しない

三冊読んだ。

心を生みだす脳のシステム 「私」というミステリー (NHKブックス)

心を生みだす脳のシステム 「私」というミステリー (NHKブックス)

  • 茂木健一郎『心を生み出す脳のシステム』(NHKブックス)
    • ニューロンのかたまりにすぎない脳細胞がいかにして意識を生み出すかという、いわゆる「心脳問題」はもちろん未解決であるが、その「心脳問題」に迫ろうとする道具立てが興味深いので、この手の本を次々に読み漁っている。既知のものも多かったが、たとえば「カプグラ妄想」(p207〜)などはこの本で初めて知った。妻子など身近な人が、得体の知れない何物かと入れ替わっているのではないかという妄想。筒井康隆の『台所にいたスパイ』(角川文庫『アフリカの爆弾』所収)とか榎本俊二のマンガ『ゴールデンラッキー』に登場するインベーダーなどを即座に連想する。脳を極めるための手段は案外我々にとって身近なものを想起させる。
    • p167やp239でいじられているのはヴィトゲンシュタインの顔写真。p46では「無限後退」なんて言葉を注釈なしに使ってくれちゃっている。油断のならない本だ。というか多分私には、この著者の仕掛けを全部見抜くことはできまい…

最後の将軍 (文春文庫)

最後の将軍 (文春文庫)

  • 司馬遼太郎『最後の将軍』(文春文庫)
    • 徳川慶喜はなかなか将軍にならない。だが読みどころは慶喜が将軍になって以降の本書後半部である。列強の進出と長州の反逆それに何よりもやっかいな言うことを聞かぬ朝廷と内憂外患に囲まれながら、頼みのはずの旗本八万騎は誰一人腰も上げず武器もとらず禄のみを食み平民から募集した兵に洋式訓練を施さねばならぬという末期的制度疲労の極みにある徳川幕府を背負っては、いかな「神君家康公以来の英明」と称えられる慶喜が将軍の座についても、いかんともしがたかったであろう。
    • 終盤近い十五章(p194〜)に、坂本竜馬の名が、ほんの何度か登場する。慶喜と竜馬が直接対話することはない。互いの顔を見ることすらない。しかし司馬読者にとっては、この名前が登場する部分は火花のように印象的である。

バカのための読書術 (ちくま新書)

バカのための読書術 (ちくま新書)

  • 小谷野敦『バカのための読書術』(ちくま新書)
    • 再読。四年前に買って読んだ本であるが、なにげなく本棚から手にとって一気に読み返してしまった。著者は気に入らない奴である。著者が尊敬するという呉智英も私は大嫌いである。だが読みやすさは認めざるを得ない。そして読みやすいだけあって、その後ずいぶんとこの本に影響を受けていることに気づく。例えば本書中で勧めらている本に、そこそこ目を通しているとか。

追記:(2/8)
うわっ、茂木健一郎氏はamazonのレビュアーやってるんだ!
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