- 作者: 陳舜臣
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1991/04/05
- メディア: 文庫
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再読のつもりで読み始めて「あれ?この本まだ読んでなかったっけ?」と気づいた。シリーズを全巻揃えただけで後ろのほうは読んだ気になっていたらしい。
浅田次郎『蒼穹の昴』が、戊戌変法という中国近代史上の事件としては日本人には比較的なじみの低いイベントをクライマックスに据え、太平天国とか日清戦争などより有名な出来事は遠景として描かれているので(新選組の中では比較的知名度の低い吉村貫一郎を主人公に長編を描いたりする浅田ワールドらしいと言ってしまえばそれまでだが)、再勉強するつもりで読んでみた。うーん、どの事件一つとっても長編になりそう。実際この著者は『阿片戦争』『太平天国』『河は流れず』(日清戦争モノ)という長編を発表している。自国一国の歴史しか知らないものは、実は自国の歴史も知らないのだという意味の有名な言葉があるそうだが(誰の言葉だったかは知らない)、例えば「軍閥」に相当するものが、本朝にはどうしても見当たらない。曽国藩、李鴻章、袁世凱、張作霖、張学良(すごい!MS−IMEは全部一括変換する!)という人名を並べるだけでも、中国近代史においてその重要性は歴然なのに。
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