- 作者: ブライアン・W.ポール,Brian W. Powle
- 出版社/メーカー: NHK出版
- 発売日: 2005/02/16
- メディア: 新書
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あと、この巻では西洋史の簡略なエピソードを扱った章が、いくつか。マリー・アントワネットの生涯(p30〜)くらいなら「知っとるわい!」と言いたいところだが、英国国教会の祖・ヘンリー8世(p75〜)「辛うじて知っている…離婚が認められなかったからローマ教会から離脱したんだね?」、連合王国成立のきっかけを作ったスコットランド女王メアリ・スチュワートの夫君暗殺の話(p110〜)「し、知らんかった…」と、歴史好きを自称する身としては少し恥ずかしい思いをした。そのうちもうちょっと勉強してみるか。シェイクスピアの王室物とかも読んでみたいし。
内容的に印象に残ったのは、著者の友人がフィリピンで商売を始めて失敗する話(p42〜)。自営業者としてもそうだし、また「なぜ悪いことをしてはいけないのか」という倫理的な問いを抱き続ける者としても。「社会的なモラルの基盤がないと、ビジネス自体が成立しにくい」というのも、この基本問題へのアプローチの一つとならないだろうか?
英文として惹かれたのは、カリブの離島でハリケーンに遭遇するくだり(p93〜)。私の英語センスなど全くあてにはならないことは承知だが、ひょっとしてこれは名文というものではないだろうか?
それから気になったことは、この著者に限らず英米人が"communist"という単語を使う場合、何の説明もなくというか前提抜きで、蛇蝎のような否定的なニュアンスが与えられることが多い。
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