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W・パウンドストーン、松浦俊輔(訳)『囚人のジレンマ―フォン・ノイマンとゲームの理論』(青土社)

囚人のジレンマ―フォン・ノイマンとゲームの理論

囚人のジレンマ―フォン・ノイマンとゲームの理論

パラドックス大全』『ビル・ゲイツの面接試験―富士山をどう動かしますか?』では楽しませてもらったけど、はっきり言ってこの本はおすすめしません。
二十世紀に開拓された数学の新たなジャンルの一つ「ゲーム理論」を、その発明者ジョン・フォン・ノイマンの略伝や50〜60年代の米ソ冷戦などを交えて描いた読み物だが、冗長なわりにはゲーム理論の解説書としてはいささか物足りない気がする。本書全13章中第12章目の「適者生存」(p299〜)だけ読めばいいのではないだろうか。
ミシガン大学のアクセルロッド政治学教授は、典型的な「囚人のジレンマ」となる下のような利益表を使って、いくつかのコンピュータプログラムに「試合」をさせた。
 協調  裏切り
協調
裏切り
 3、3  0、5
 5、0  1、1
(p307の表を横書きに改変、各セルの左側の数字が左側のプレーヤーの、右側の数字が上側のプレーヤーの利益になる)
最優秀の成績をあげたプログラムはたったの四行の「おうむ返し」と呼ばれる戦略で「最初の回は協調する。その後は前の回に相手がとった手をまねる。これだけだ」(p311)そうである。
パラドックス大全

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