- 作者: 中島らも
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2006/07/01
- メディア: 文庫
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作者自身お気に入りのコンセプトらしく、作者がエッセイの中で自らネタバラしているのを読んだ記憶がある。巻末のあとがきに相当する『Making of 「こどもの一生」』でもネタバラしているので、これから手に取る人は後ろから読まないよう要注意。
その『Making of 「こどもの一生」』より。
この芝居の初演の日、おれは客席の後方で見ていた。最初から三分の二はとても娯〔たの〕しい、笑いに満ちた芝居だ。それが三分の二を過ぎた時点で笑いの要素の全てが恐怖へと反転する。と、前の席にいた女の子が隣の子を突ついて、
「どうしょ、これ、怖いやん」
と震える声で言った。
「やった!」おれは小躍りしそうな喜びに包まれた。これ、この反応が欲しかったのだ。
(p409〜410)
できれば舞台を予備知識なしに観たかった。怖がった女の子がうらやましい。