しいたげられたしいたけ

空気を読まない 他人に空気を読むことを要求しない

島田荘司『異邦の騎士 改訂完全版』(講談社文庫)

異邦の騎士 改訂完全版

異邦の騎士 改訂完全版

記憶を失った若い男が、ゆきずりの少女の親切を受け、そのまま共同生活を始める。二人の奇妙な生活は初めのうちこそ平穏に見えたが、理不尽な仲違いをきっかけに男が自分の「過去探し」を始めたところ、驚愕の事実が次々に明かされる。「自分は人を殺したのではないか!?」
御手洗潔シリーズの長編第三作目であるが、作中の時系列的には御手洗潔の最初の事件ということになる。amazonの書評中で何人かの人が書いている通り、本書を独立した作品として読んでもいいが、御手洗シリーズを何作か読んでから本書を読むと、印象が変わる。ラストの意外度が違ってくるのだ。以前に島田潔シリーズを読んだときにもボヤいたが「ミステリはシリーズ単位で発表順に」という常識もどきは、決して熱心なミステリ読者でない自分的にはあまり歓迎したくないのだが。…と言いつつ本書に登場する作中人物の一人とは、もし著者の今後の作品中で再会できるものなら再会したい気がする。決してネタバレにはならないと思うので書いちゃうけど、御手洗シリーズのモリアーティたりうると思うのだ。