しいたげられたしいたけ

空気を読まない 他人に空気を読むことを要求しない

東野圭吾『容疑者Xの献身』(文春文庫)

容疑者Xの献身 (文春文庫)

容疑者Xの献身 (文春文庫)

高校教師をしている不遇の天才数学者が、アパートの隣に住んでいる母娘が心ならずも犯してしまった殺人を隠蔽するために、奇想天外なトリックを考案し実行に移す。この1ヶ月ばかり暇に任せて乱読してきたミステリの中では、一番きれいに騙されました。あ、トリックのみごとなものは他にもいくつもあったのだけど、たまたま私が事前にどっかでネタバレを目にしていたというパターンが多かったので(T_T)
それにしても、以前も似たようなことを書いたけど、ミステリばっかり読んでいると、人が人を殺すことや人が人を殺すに足る動機が語られることを読むのが苦痛になってくるが、本書ではとりわけそれを強く感じた。平凡でもささやかでもいいからふつ〜に生活しとって何があかんねん!…ってそれじゃ小説にならないけど。
前々回のエントリにした『異邦の騎士』なんかでも、前半の、記憶を失った主人公がアパートを借りたり勤めを見つけたりして新しい暮らしを徐々に作り上げていくくだり、つまり何も事件が起きないところが、思いのほか好きなんだよなぁ。
自己満足だけど、ミステリなら今でも学生時代並みに一日一冊読めることがわかった。新書も一日一冊読めるかなとは思っていたけど。ただ、本当は一日じゃ読めないような骨のある本こそを読むべきだとは思う。
そんなこんなで、ミステリを読むのはこれでまたしばらく封印しようかな…幸い仕事の方もぼつぼつ回復基調だし…いや、希望的観測というやつで、いい加減回復基調になってもらわなきゃ困る!