しいたげられたしいたけ

空気を読まない 他人に空気を読むことを要求しない

中島らも『空のオルゴール』(新潮文庫)

空のオルゴール (新潮文庫)

空のオルゴール (新潮文庫)

大学院生の主人公は、教授からとある奇術師について調べるようにと命ぜられ、パリにやってきた。そこで奇妙な奇術師グループと知り合いになる。そこへ、なぜか奇術師の暗殺を狙う「反奇術同盟(U・M・A)」なる狂信的暗殺者の集団が登場し、かくして「奇術師グループv.s.暗殺者グループ」の死闘が始まる…
奇術師と暗殺者が次々と技を繰り出して闘う様は、例えは古いが横山光輝『伊賀の影丸』以来の少年マンガの黄金パターンである。人はばたばた死ぬが、あっけらかんとして深刻なイメージはない。それどころか、この作者の書くものの特徴で底抜けの明るさすら感じる。
心が雨漏りする日には (青春文庫)』によると、この作品を書いた頃には著者は薬物の影響で文字の読み書きができなくなっており、奥さんに口述筆記で書いてもらったのだそうだ。
心が雨漏りする日には (青春文庫)

心が雨漏りする日には (青春文庫)