自分の「はてダ」を検索すると、前回は6年近くも前になるんだった。
今回の動機は、自分のことながら、すげ~ヘンである。やはりかつて「はてダ」に、私は幽霊さえ見たことのない霊感ゼロ人間だが、一つだけ、たまに不思議な体験をすることがある旨を書いた。おやこれも2008年7月のエントリーだ。
「オカルトな話」
それまで一度も行ったことがないはずの場所を、夢に見ることがある。後日その場所に偶然たどり着いて、ああ、ここは以前に夢に見た場所だ、と悟ることがあるのだ。
慶応大学の日吉キャンパスから谷を下って矢上キャンパスに至る道、大阪の四天王寺を谷町筋から眺めた光景、桑名市の寺町通りアーケード街、その他、厳密に一度も行ったことがないかどうかは微妙なところまで含めると、半ダース以上は今でも思い出せる。
今回は微妙な部類かも知れない。名古屋の地下鉄栄駅と新栄駅のちょうど中間あたりに、名演小劇場という独立系シアターがある。
なんで今までここに来たことがなかったんだっけ??
名古屋の三大ターミナル(って言うかな?)のうち、名駅と金山は、わりとよく使う。栄も使わないことはないが、歩くとしたら矢場町や上前津との南北間を歩くことばかりで、新栄との東西間を歩いたことは、ほとんどなかったのだな。名古屋に来たことのない人には何のことかわからない記述だけど。
先週末、所要で新栄に行ったとき、よくある気まぐれで、なんとなく栄まで歩いてみようと思ったのだ。いつもは新栄に行くときは中央線の千種駅を経由する。これも名古屋の地理を知らない人にはワケわかんない説明ですみません。
そうしたら、この劇場の前を通りがかって、「ここだったのか!?」と思ったのだ。
3階建てくらいの雑居ビル風。正面右手に2階に上がる階段があって、階段を上がったところが玄関だ。くだんの夢を見た直後は、学生時代によく通った喫茶店のある京都の雑居ビルだと思った。見かけがそっくりだったのだ。でも夢の中では「ここは映画館なのだ」と認識していたな。
その時は時間がなかったので入ることはしなかったが、ちょっと覗いたところ、スクリーンが2つあって、朝日新聞の天声人語で言及されていた『世界の果ての通学路』とか、ネットで町山智浩氏やデヴィ夫人の映画評が話題になっていた『アクト・オブ・キリング』とか、生ける伝説アンジェイ・ワイダ監督の『ワレサ 連帯の男』とか、何年も映画を観ていない私でも聞いたことのある作品の上映予定が並んでいた。これは後日、来てみたいと思った。
GWに入り、天気が悪い休日には映画鑑賞がうってつけだと思って、足を運んだ次第。
上映予定表はネットでダウンロードできたので一応印刷はしたが、行き当たりばったりで開演時間がちょうどいいものを観ようと思った。
『世界の果ての通学路』が上映直前だったので、チケットを買った。
完全入れ替え制で、引き続き同じスクリーンで『アクト・オブ・キリング』が上映されるので、こちらも観た。二本立てじゃないから、その都度料金を払わなければならないが、まあしゃあない。
映画の感想は話題がガラリと変わってしまうため、気が向いたら稿を改めることにします。
夢で見た場所に現実に足を踏み入れたからといって、何か特別なことが起きるわけではない。それはこれまでも同じ。
風景とか建物とかの外観は案外似通ったものが多く、また夢の記憶なんてあいまいなものなので、現実に目の前にした光景の引力に夢の記憶が引きつけられて修正されてしまうだけかも知れない。だけどそういう合理的な解釈を自分自身に強いるのも味気ないので、不思議体験は不思議体験ということにしておきたい。
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