蛇足
ストーリーは今回で完結です。「その1」のしょっぱなのブクマに、みどりの小野 さんから次のようなブコメをいただいて「ぎくっ!」としました。
【童話】スーとお花ばたけ(その1) - しいたげられたしいたけ
これは何の話を元にしているのか?今の所さっぱりなので次回が楽しみ!
2016/01/08 07:07
そろそろ気づいた方も少なくないと思います。次回は恒例(?)あらずもがなの自己解説をアップする予定です。
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スーはたずねました。
「どうしてこれが、あなたのいちばんだいじなものなの?」
イモムシは答えました。
「おれたちは、ちょうちょになるまえにサナギにならなければならない。
そのとき、サナギのじかんがみじかすぎると、はねができない。
サナギのじかんが長すぎると、体がぜんぶはねになってしまう。
だから目ざましどけいがだいじなのだ」
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イモムシは言いました。
「おしえてやったぞ。こんどはおまえが、どうやってもようを作るかおしえるばんだ」
スーは言いました。
「いいわ、おしえてあげる。こうするのよ」
スーはししゅうのどうぐをイモムシからとりもどし、イモムシの目の前でししゅうをやってみせました。
「あなたには、できないでしょう」
「おれさまに、できないことはない」
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「じゃあ、やってみせてくれる?」
スーはイモムシに、ししゅうのどうぐをわたしました。
イモムシは、とげのような、つめのような前足で、ししゅうをはじめました。
でも、なかなかじょうずにできません。
「くそっ、おれさまに、できないことはないはずだ」
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イモムシがししゅうにむちゅうになっている間に、スーはイモムシのむねのところの、ふところのような合わせ目から、目ざましどけいをとり上げてしまいました。
そして、とけいのじかんを、うんとすすめました。
イモムシは、ししゅうをしながら、口から糸をふき出しました。
でも、ししゅうにむちゅうになって、気づきません。
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イモムシは、ししゅうをしながら、とうとうきょだいなサナギになってしまいました。
スーはこんどは、とけいのじかんを、うんとおくらせました。
そして、ししゅうのどうぐをとりもどし、おうちめざしてにげかえりました。
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「おこらないでね、おばあちゃん」
スーが山のむこうのお花ばたけであったことを、おうちの人たちにかたると、おうちの人たちはたいへんびっくりしました。
おばあちゃんは言いました。
「スーがぶじにもどってきてくれたのが、なによりだよ」
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1か月がたちました。
スーと、スーのお父さんと、スーのおじいちゃんと、村の人たちは、てっぽうや、こんぼうをもって、山のむこうのお花ばたけにいきました。
スーの言ったとおり、きょだいなサナギがありました。
スーのお父さんが、ナタでサナギを切りさくと、中から、とってもきれいなぬのが出て来ました。
ぬのには、お花のもようと、ねずみのもようと、ねこのもようと、いぬのもようがありました。
やぎのもようと、ひつじのもようもありました。
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村の人たちは、ぬのをたんものにして売りました。たんものはたかく売れ、村はちょっぴりゆたかになりました。
スーはぬののいちばんいいところをもらって、ドレスをいっちゃく作ってもらいました。
とってもきれいで、とってもかるい、すてきなドレスです。
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でもそのドレスはとってもかるいので、スーがドレスをきて、うっかりしていると、ときどきふわりと空にうかびあがってしまうのが、こまったことです。
(おしまい)
かわいいフリー素材集 いらすとや 様より
追記:
あらずもがなの自己解説です。
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