最初に二件、訂正のお詫びです。
一件目は、6月11日の記事に「組み合わせを求める関数はExcelには実装されていない」という意味のことを書きましたが、COMBIN関数というのが実装されていました。
二件目は、6月8日の記事に「CANONの複合機MP540のWindows10ドライバは提供されていない」と書きましたが、公式サポートではありませんがWindows8.1ドライバをインストールすると使用できることを確認しました。
それぞれの記事に追記するとともに、この新規記事でも告知し、読んでいただいた方にお詫びします。すみませんでした。一件目に関しては、マイクロソフト社さんにもお詫びすべきでしょう。でも二件目に関しては、公式サポしてくれないCANONさんにはお詫びしたくないなぁ(一言多い
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これをきっかけに、Excel2016にはどんな新機能があるか自力で調べようかなと思いつつ、手元にあったFOM出版『よくわかる Microsoft Excel 2016 基礎』というのをパラパラとめくったら、6月11日の記事に書いた「インク数式」を含めて巻末の「付録4」(P294~323)にきちんとまとまっているのを見つけた。

Microsoft Excel 2016 基礎 (よくわかる)
- 作者: 富士通エフ・オー・エム株式会社(FOM出版)
- 出版社/メーカー: 富士通エフ・オー・エム株式会社(FOM出版)
- 発売日: 2016/02/12
- メディア: 大型本
- この商品を含むブログを見る
FOM出版に限らずIT関係の出版社はマイクロソフト社から情報提供を受けられるだろうし、そういうことのできない個人のブログが太刀打ちできるはずないんだわな。つか以前も書いたけど、ブログの情報量は書籍の足元にも及ばない。雑記系だと、わりと長文のエントリーでも書籍に換算すると1、2ページ分ってことがよくあるし、弊ブログでたびたび扱っている理数系や技術系の話題だと、1回のエントリーはほぼ例題1問分か2問分である。しかも最低限、編集者のチェックが入る書籍に比べ、他人の目のチェックが入らないブログの正確性、信頼性は格段に落ちる。
お読みいただいている方には申し訳ないのですが、またおわかりのことと存じますが、この機会に再確認させていただきたく、ご承知おきをお願いします。
上掲書は、Excel2016では新機能として「操作アシスト」「スマート検索」「インク数式」「予測シート」「新しいグラフ」「3Dマップ」を記している。うち「新しいグラフ」としては「ツリーマップ」「サンバースト」「ヒストグラム」(「パレート図」を含む)「箱ひげ図」「ウォーターフォール」を挙げている。
このうち「ヒストグラム」と「箱ひげ図」に反応した。いつも使っている教科書『新確率統計』に、項目があったからだ。
せっかく複合機が復活したので、当該ページをスキャンして貼ろう。著作権法32条で認められた報道、批評、研究目的の正当な範囲内での引用のつもりですが、もし怒られたらヘタレなんで消します。
まずは「箱ひげ図」から。『新確率統計』P39には、こんなふうに説明してある。
続いて『よくわかる Microsoft Excel 2016 基礎』P308から。
私のパソコンにはExcel2013しかインストールされていないので、Excel2016のインストールされているパソコンを借りて、『新確率統計』P34にある「例4」なるデータを入力して「箱ひげ図」を作ってみた。
データさえ入力してしまえばワンクリックで作れるのは確かに便利だが…
『新確率統計』P41に載っている完成図とは、あんまり似ていなかった。
縦置きか横置きかが違うし、Excelの方は「外れ値」なるものが表示されない。調整できるかも知れないが、まだやっていない。
続いてヒストグラム。『よくわかる Microsoft Excel 2016 基礎』P307の説明は、こう。
『新確率統計』P28のサンプルデータを入力して、作ってみた。おお、これもワンクリックで、できてしまう!
これがいかに画期的かというと、『新確率統計』と並んでこれまでしばしばタネ本に使わせてもらっている『やさしく学ぶExcel統計入門』は、ヒストグラムの作成にP31~39の9ページを費やしているのだ! すなわちデータを入力して、COUNTIFS関数*1またはFREQUENCY関数*2を用いて度数分布表を作り、度数分布表から集合縦棒グラフを作り、グラフの「作業ウィンドウ」を開いて棒グラフの間隔をゼロにする、という手順を踏まなければならなかった。
しかし『新確率統計』P30の完成図を見ると、やはり微妙に違っている。
階級の区間を変更するには「作業ウィンドウ」を用いて操作しなければならないのだろうと思って、ちょっとやってみようとした。
なんだなんだ、この「ごみ箱」というのは?
『よくわかる Microsoft Excel 2016 基礎』P312には、こんなことが書いてあった。
下から二行目を文字起こしする。
※お使いの環境によっては、「ごみ箱の数」が「ビンの数」と表示されることがあります。
検索してみた。こんな記事がヒットした。
Exce 2016 の誤訳について - マイクロソフト コミュニティ
最新バージョンでは「ビン」と表示されるようになっているらしい。「ごみ箱」というのは 「誤訳」なのか!?
私の英語力は三十代の頃の瞬間最大風速で英検準一級、TOEIC730だから全然たいしたことはないが、それでも「ごみ箱」が英語で “trash bin” または “trash can” ということくらいなら知っている。念のため検索すると “bin” だけでも「ごみ箱」という意味があるらしい。
一方、統計で階級のことも “bin” と言うらしい。こちらは全然知らなかった!
まあ「定着した誤訳」というのは日本語の中にしばしば紛れ込んでいるものであるから、ヒストグラムの階級ごとの区間が「ごみ箱」のまま定着しても面白かったかも知れない。でも、今検索したら「ヒストグラムの棒のことをビンと言う」という意味のサイトがいくつか出てきたから、やはり「ごみ箱」は誤訳として葬られる運命なのかな?
そっちの方向に興味を引かれて、グラフの微調整はどうでもよくなってしまった。自分のパソコンじゃないから、これ以上は試していない。