本題に先立って、関連する新聞記事を何件か。
以前から記事にはなっていたが、あまり話題にはならなかったように思う。
この数字が、わりと信頼度高いのかな。
さらに未確定情報だが、こんな数字も。現状トータル10兆円ってこと?
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上掲記事のうち下の二件が公表されたのが6月末。多分それを受けて、人気サイト「市況かぶ全力2階建」の記事がホッテントリになった。
論旨上必要があるので、著作権法32条に基づき上掲記事中のグラフを引用させてもらいます。
http://livedoor.blogimg.jp/masorira-kabu/imgs/d/b/dbdbad08.jpg
「市況かぶ全力2階建」のグラフには、こんな批判があることも併記しておく必要を感じる。つかグラフのデータの出典がどこにも書かれていないことは問題だと考える。
闇雲にGPIFが年金運用で5兆円も溶かしたと煽る風潮について : 市況かぶ全力2階建
グラフ変だと思ったら実現益じゃなくて「高値当時の含み益」かよ、そんなもの株価が下げた今になって残ってる訳ねえじゃん!ド素人か! 締めで批判されてる方がむしろ玄人的な結論、見出しじゃそうは見えないがナ。
2016/07/02 15:50
一方、ちょうど同じ日に、リアルでこんなチラシを受け取った。
こちらもデータの出典は記されていなかった。とある市民団体が発行したものだが、これが他の、例えば共産党の出すチラシに載っているグラフだったら、必ずデータの出典が記されている。
「出典が記されていない」という一点だけで、二つのグラフはどちらも信を置くべきではないだろう。しかし気になって、ちょっと何か書きたくなった。本来なら自分でデータを調べて、必要があれば自分でグラフを作るくらいのことをしなければとも思ったが、時間が取れなくてずるずると一週間近く先延ばしにしてしまった。見切りをつけて書いてしまう。
「市況かぶ全力2階建」がターゲットとしている層は、実際に株式投資をしている人たちだろう。GPIFが運用方針を見直し、株式に投入している資金の割合を引き下げるようなことがあれば、株価がさらに弱含みになることは避けられないのではないか。彼らはそれを恐れているのではないかと想像する。
一方、年金を受給している層や、近い将来の人生設計に年金を組み込んでいる層としては、運用評価損によりさらに年金支給額が下げられたり保険料率が引き上げられたりしたら、これは生活を直撃する大問題である。「市況かぶ全力2階建」の議論にはいろいろと疑わしいところがあるが(特に2014年10月に株式投資を25→50%に倍増させた事実をガン無視するってどうなの?)仮にグラフの数値を信じて、自民党安倍政権下で年金運用益を積み増してきたとしても、それが年金受給者と保険料支払者の利益として反映されていなければ、本末転倒と言うものじゃないだろうか。
つまりよくあることとはいえ今回も、すなわちGPIF運用評価損の数字に関しても、同じ数字であっても人々は立場によっていろいろと読みかえようとするのだろう。株をやっている層、やっていない層。年金を頼る層、頼らない層。数字に正確を期すことができれば、「数字の読み方」として教科書に載せてもいい例じゃなかろうかとさえ思った。
私事で申し訳ないが、当方は株をやっていなくて年金を頼らざるを得ない立場である。会社員の期間が短くて個人事業者の期間が長いから、国民年金がベースである。これでは生活ができない。多少の厚生年金と個人年金の積み増しはあるが、試算したら倍額にはならない。「どうすんだこれ?」ってやつである。体が利く間は働けるだけ働くしかないと、諦めている。
参院選の投票日が目前である。投票先がない、誰に投票したらいいかわからないという声はよく耳にするが、個々人が自分の置かれた状況を認識すれば、自分自身にとっての選択肢は自ずと見えてくるものじゃないだろうか?
追記:
すみません、タイトル間違っていたので訂正しました。×5億円 ○5兆円。id:lacucaracha さんご指摘ありがとうございます。抹消線入れて残そうかと思ったのですが、タイトルにはタグが入らないようなので…