近所のありふれた神社に、勝手にやっているお百度参りのシリーズです。
前回同様、ご家族が難病と闘っている方の、「知り合いの神さまがいたらよろしく」というDMと、最新のブログ記事をかざしながらの参拝になります。
目下、参拝しているのは、こちら。神明社というところ。過去に何度か参拝したことはあり、初詣としてここに来たこともあるのだが、相手から知り合いと認識してもらっているかどうかは定かではない。
拝殿。
摂社末社のある小高い丘に上る石段。
なぜか檻のような建物に入っている摂社末社。
前回のお百度参り記事 には、200mほど離れた歩道橋を、今回の百度石代わりに使ったと書いたが…
このあたりの地名の起源となった「国指定史跡 戦人塚」というのが、すぐそばにあるので行ってみた。いや以前も行ったことはあるんだけど、再訪ってことで。
なお歩道橋の上からの見晴らしがよかったので、写真を撮ってみた。これは北側の、神社の方角を撮ったもの。
これは東側の、戦人塚のある方角を撮ったものだ。
国道一号線の東側の、丘陵地に向かう坂を上ると、戦人塚への案内板があった。
丘陵地の、いくつかあるピークの一つが戦人塚だ。
右手前に「史跡 戦人塚」という門柱。黒い案内板を挟んで、左手奥に「戦人塚」とだけ記された石碑がある。
黒い案内板を接写した。
恒例の文字起こし。今回は文字起こししなくても十分読めそうだが、記事の文字数を稼ぐためと、検索に引っかかりやすくするための姑息な手段と解釈してもらってかまわない。
国指定史跡
戦 人 塚永禄三年(一五六〇)桶狭間の戦いにおける戦死者を曹源寺二世快翁龍喜〔かいおうりゅうき〕和尚が明窓〔めいそう〕に命じ埋葬供養した塚である。
この石碑は元文四年(一七三九)百八十回忌の供養祭に建碑されたものといわれる。昭和十二年十二月二十一日指定
豊明市教育委員会
曹源寺というのは市内にある曹洞宗の名刹で、知多四国八十八ヶ所霊場の一番札所でもある。
石碑の左手、石段の手前に、もう一つ説明板がある。
左手前の説明板を接写。
こちらも文字起こし。
説 明
此の地は曹源寺快翁和尚桶狭間の役に於ける戦死者を葬り供養せし處と傳へらる
塚上に戦人塚の小碑あり
注 意
一、封土の破壊を為さざる事
一、樹木の伐採及栽植を為さざる事
一、其の他指定地域内の現状変更を為さざる事
昭和十六年十月
文 部 省
ガン闘病者の体内では、ガン細胞と闘病者の免疫システムが、一進一退のぎりぎりの攻防を繰り広げていると聞く。
ここにも参拝すれば、五百五十年の時を経て今なお荒ぶる魂どもが…
「誰だこいつ? たま~に参拝に来る近所のおっさんじゃないか」
「なに、ネッ友さんの家族が闘病中? 面白れえじゃねえか」
「ご近所のよしみだ! ボコってやれボコってやれ! 腕が鳴るぜぇ!」
てなことになって一気に状況が好転しないだろうか、と、まるで科学的でない妄想。
しかし、参拝経路に戦人塚を入れると、ルートの片道の長さが約200mから約700mへと延びる。
こうやって自らハードルを上げたがるのは、無能な奴の特徴であることは、本人が一番よく知っている。
無能な奴の他の特徴としては、何を始めるにしてもなかなか手がつかずやることが遅いとか、やっと始めても集中力が続かないとか…うるさいなほっとけや。
地域内には、句碑もあった。
説明書を接写。
五月雨に法の衣や志ぼるらん
しのぶ昔のミいくさのあと
善 吉永禄三年(一五六〇)五月十九日、織田信長のために壊滅的打撃を蒙った今川方の将士の多くはここに眠る。
「回向に来た和尚も、昔の戦をしのんでみると悲しみに堪えられなかった事であろう」の意である。
詠み手は落合の紺屋〔こうや〕、菱屋善吉〔ひしはぜんきち〕で嘉永元年(一八四八)刊の「名区小景」に載る。豊明市観光協会
戦跡というのは、意外なほど長く記憶に残るものである。うちの近所では他に、長久手市の長久手古戦場公園や、岐阜県関ケ原町の関ヶ原古戦場が、大規模に整備されている。
戦国時代どころか、飛鳥時代の白村江や壬申の乱の痛手が、今日に至るまで記憶されていることは、以前のお百度参り記事で中大兄皇子に言及した際に論じておきたかったのだが、中途半端のまま終わってしまった。神社や神道のベースになっている記紀は、天智、天武、持統の時代に編纂されたものだから、今後また触れる機会はあるだろう。
戦人塚の北隣に、「仙人塚集会所」というのがあった。地名としては「仙人塚」なのだ。
塚をとりまくツツジの植込みの中に、妙なものがあった。時刻は正確だったから、現役で使用されているものだろう。
天気予報の通り、いきなり気温が上がって暑かった。
路傍の自販機のお世話になった。熱中症には注意しているつもり。
前述の通り参拝経路を延ばしてしまったものだから、回数は稼げなかった。今回は十五回参拝して合計二十五回。続きは次の週末とする。
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