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「貧者の䞀灯」の原兞『阿闍䞖王授決経』の珟代語蚳がネットで芋圓たらなかったので私蚳しおみたその3完結

少しだけ舞台裏を公開したす。本圓は蚳しおいるず、いろんなこずがあるんですが、読んでくださる方には関係のないこずなので。

前々回の「その1」の原文に、「隚藍颚」ずいう単語が出おきたした。圓初「藍颚」ず区切っお「青い颚」ず蚳したしたが、蚘事公開埌、気になっお怜玢するず、䞭文繁䜓字のサむトがいく぀かヒットし「猛烈な颚」ず説明があったので蚂正したした。すみたせん。

前回の「その」の原文には「䟿」ずいう文字が倚く珟れたした。加地䌞行『挢文法基瀎 本圓にわかる挢文入門』(講談瀟孊術文庫)ずいう本によるず、この「䟿」は「則・即・乃・茒〔ちょう〕」ず同じく「すなわち」ずいう意味の助字だそうですP222。そういえば「即」ずいう字も倚く䜿われおいたしたが、どのように䜿い分けおいるのかは、私ごずきには理解が及びたせん。日本語でも「だそうだ」ず「ずのこず」あるいは「だが」ず「しかし」のうち、どちらか片っ方ばかり䜿っおいるず䞍自然に感じるので、適圓に䜿い分けるこずがあるように、挢文でも同じ字ばっかり䜿うのは避けたくなるこずがあるのだろうず想像しおいたす。詳しい人から怒られるかも知れたせんが。

ちなみに『挢文法基瀎』は名著ず蚀われた受隓参考曞が文庫化されたものの䞀冊ですが、600ペヌゞを超える文庫本ずしおは倧郚のペヌゞを「第䞀郚 基瀎線」「第二郚 助字線」「第䞉郚 構文線」の䞉぀にわけおおり、そのうち第二郚の助字線だけで党䜓の40以䞊を占めおいたす。挢文においおは、助字ずいうものの重芁さが、おがろげながらわかるような気がしたす。 

挢文法基瀎 本圓にわかる挢文入門 (講談瀟孊術文庫)

挢文法基瀎 本圓にわかる挢文入門 (講談瀟孊術文庫)

 

さお、『阿闍䞖王授決経』最埌の䞉分の䞀、ようやく阿闍䞖王が、8歳の王倪子ずもども、授決を受けるこずになりたす。授決授蚘ずは、未来䞖においお仏になるずいう予蚀のこずです。

たずは阿闍䞖王がふたたび祇婆倧臣のアドバむスを受ける堎面です。

王埩問祇婆曰。我前請䜛而老母受決。今日蚭犏而園監受決。我獚䜕故初無所獲。心甚斌悒。當埩宜䜜䜕等功埳耶。祇婆曰。王雖頻日蚭犏。䜆甚國藏之財。䜿人民之力。心或貢高意或瞋恚。故未埗決。今宜割損身䞭自䟛之具。并脱瓔珞䞃寳珠環以䜜寶華。當與倫人倪子䜵力合掌。自就功勀䞀心䞊䜛。䜛照王至誠必埗決也。斌是王枛培厚膳晝倜霋戒。脱身䞊諞寶。合聚諞垫曰前䜜華。王及倫人倪子皆自著手。

倧正新脩倧藏經テキストデヌタベヌス より

 私蚳

王は再び祇婆倧臣に問うた「私が以前に釈尊を招いた時には老女が受決され、今日は園䞁が受決された。私だけが、なぜ䜕も受けられないのか はなはだ遺憟である。次はどのような功埳を行えばいいのか」
祇婆は答えた「王は毎日功埳をなさっおいたすが、しかし囜庫の財を甚い、人民の力を䜿っおいたす。たた心には高ぶりや恚みがありたす。だから受決されないのです。今埌もし身を削り自分の持ち物を䟛え、銖食りや䞃宝の腕茪を脱いで宝の花を䜜り、王劃や王倪子ず䞀緒に合掌し、䞀心にお釈迊さたに奉ったなら、お釈迊さたは必ずや王さたの至誠を照芧しお受決を授けられるこずでしょう」
そこで王は、食事を枛らしお昌倜斎戒し、身に着けおいた諞宝を取り倖し、それらを綎り合せお釈尊に献䞊する宝の花を䜜った。王劃や王倪子も進んで手䌝った。

 

この郚分は、今回も参考のため、野村耀昌『仏教説話癟遞』(孊習研究瀟)の文も匕甚玹介したす。

釈尊が去られた埌で、王はゞヌノァカ倧臣に蚀った。
「前に仏に燈火の䟛逊をした時は、老婆が予蚀を受けた。本日仏を招埅しお、たた園䞁が予蚀を授けられた。しかるに招埅し䟛逊した䞻人であるわたしは、なんらの埗るずころもない。わたしは非垞に䞍愉快である。䞀䜓どうしたらばよいのであろうか」
するずゞヌノァカ倧臣は答えお蚀った。
「王は毎日のように仏を䟛逊なさいたす。しかし、それは囜の財産を甚い、民の力を䜿っおの䟛逊でございたす。しかも自負のお心がございたす。そうした䟛逊をいかにお続けなさろうずも、仏は決しお予蚀をお授けになさりたすたい。今床はご自身のお持ち物を割き、お食りの瓔珞や䞃宝の珠環を脱いで、手ずから宝の花を䜜っお、䞀心に仏に奉ったならばかならず予蚀を受けられるず存じたす」
そこで王は配膳を枛じ、昌倜斎戒し、身に付けたもろもろの宝を脱いで、手ずからそれをもっお花を぀くるこずに埓事した。

 『仏教説話癟遞』P282

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いよいよ最埌の郚分です。鳩倷那竭クシナヌラヌは釈迊入滅の地ずしお有名です。阿闍䞖王が宝花を完成させる盎前に、なんず釈尊は般泥掹般涅槃すなわち亡くなっおしたうのです。

至九十日所䜜悉成。勅倖駕當埀䞊䜛。傍臣癜蚀。聞䜛前到鳩倷那竭國。已般泥掹也。王聞心倧悲號。涕涙哜咜曰。我故至心手䜜歀華。䜛雖般泥掹。我故當霎詣耆闍厛山。以䞊䜛坐處展銳我意也。祇婆曰。䜛者無身亊無泥掹。亊䞍垞䜏無滅無圚。惟至心者爲埗芋䜛。䜛雖圚䞖間無至心者爲䞍芋䜛。倧王至誠乃爟。䜛雖般泥掹埀必芋䜛。䟿至耆闍厛山䞭。芋䜛䞔悲䞔喜。垂涙而進。頭面䜜犮以䞃寶華前散䜛䞊。華皆䜏空䞭化成寶蓋正當䜛䞊。䜛䟿授與王決曰。华埌八萬劫劫名喜觀。王當爲䜛。䜛號淚其所郚劂䟆。刹土名華王。時人民壜四十小劫。阿闍䞖王倪子。名旃陀和利時幎八歳。芋父授決甚倧歡喜。即脱身䞊衆寶以散䜛䞊曰。願淚其所郚䜜䜛時。我䜜金茪聖王埗䟛逊䜛。䜛般泥掹埌我當承續爲䜛。其所散寶化爲亀露垳正芆䜛䞊。䜛蚀。必劂汝願。王爲䜛時必當䜜金茪聖王。壜終䟿䞊生兜率倩䞊。壜盡䟿䞋䜜䜛。圚藥王刹土教授。䜛號栎檀。人民壜呜國土所有。皆劂淚其所郚。䜛時授決適竟王及旃陀和利。前爲䜛䜜犮䟿㞌然䞍芋䜛所圚
阿闍䞖王授決經

倧正新脩倧藏經テキストデヌタベヌス より

 私蚳

90日かかっお、ようやく宝花が完成した。王が釈尊のずころぞ出向く準備を呜じるず、傍らの倧臣が蚀った「お釈迊さたはすでにクシナヌラヌで涅槃に入られたず聞きたす」
これを聞いた王は倧いに悲しみ、涙を流し嗚咜しながら蚀った「私は心を蟌めおこの花を䜜ったのだ。釈尊が亡くなったずしおも、耆闍厛山に詣で、せめお釈尊の座所にこの花を捧げよう」
祇婆倧臣は蚀った「仏には身䜓ずいうものがなく、涅槃ずいうものもありたせん。たた䞀定でもなく、滅びるこずもなく、存圚するずいうこずもありたせん。ただ心を尜くした者にだけ、仏の姿が芋えるのです。王さたが誠意を尜くされたこずにより、お釈迊さたは涅槃に入られたず蚀えども必ずその姿をみせおくださいたしょう」
王が耆闍厛山に入ったずころ、釈尊が姿を珟したので、王は涙を流しお喜び、釈尊の足䞋に額づいお、䞃宝の花を釈尊の頭䞊に散華した。花はみな空䞭にずどたり、宝蓋ずなっお釈尊の頭䞊を芆った。
釈尊は「王は今埌8䞇劫ののち、『喜芳』ず名づけられる時代で、『淚其所郚劂来』ずいう名の仏になり、『華王』ずいう名の仏囜土をしろしめすでしょう。ずきにその人民の寿呜は40小劫ずなるでしょう」ず授決した。
阿闍䞖王の倪子は、名を旃陀和利ずいい、時に8歳であったが、父が授決されたのを芋お倧いに喜び、身に぀けおいた宝石を釈尊の頭䞊に散華しお蚀った「父が淚其所郚劂来ずしお成仏するずきには、私は金茪聖王になっお仏を䟛逊したいず願いたす。たた父が般泥掹に入った埌には私が跡を継いで成仏し、宝石を連ねお幔幕ずなし仏の頭䞊を芆いたいず願いたす」
釈尊は答えた「あなたの願いは必ずその通りになりたす。阿闍䞖王が成仏した折には、あなたは必ず金茪聖王になり、王が仏ずしおの寿呜を終え兜率倩に転生した埌には、薬王劂来の仏囜土においお、『栎檀劂来』ずいう名の仏になり、淚其所郚劂来ず同じ仏囜土ず人民を継承するでしょう」
授決された阿闍䞖王ず旃陀和利倪子が瀌拝するず、頭を挙げたずきには釈尊の姿はもはやそこにはなかった。

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若干の補足を。

オヌ゜ドックスな授決授蚘においおは、成仏埌の号、統治する仏囜土、統治する劫時代の名がワンセットずしお予蚀されたす。他の䟋ずしお、『法華経』「譬喩品」では、釈尊のいわば䞀番匟子である舎利北に察し、華光劂来ずいう仏号、離垢ずいう仏囜土名、倧宝荘厳ずいう劫名が予蚀されたす坂本・岩本蚳泚『法華経〈䞊〉』(岩波文庫)P145。

亀露垳は怜玢するず WikiArc に「宝玉を぀らねた幔幕」亀露 - WikiArcずいう説明がありたした。玙にしろネットにしろ、私が怜玢を怠っお間違った蚳をしおいるずころはいっぱいあるず思いたす。芋぀け次第、蚂正する぀もりですが、お読みいただく方には、どうかその旚ご承知おきずご容赊をお願いしたす。

成仏した劂来にも、寿呜があるずされるこずがありたす。気の遠くなるような長い幎月ですが。『無量寿経』のより叀い蚳では、阿匥陀劂来が寿呜を終えお入涅槃した埌には芳䞖音菩薩が成仏しお跡を継ぎ、さらに成仏埌の芳音が入涅槃した埌には倧勢至菩薩が成仏しお埌継する次第成仏こずが蚘されおいるそうです。私はただ原文には圓たっおいたせんが。

金茪聖王転茪聖王は、叀代むンドの䌝説で䞖界に平和をもたらす理想の王です。むンド囜旗の䞭倮に茉っおいる車茪は、聖王が回す法茪だずする説がありたす法茪 - Wikipedia。

阿闍䞖王の救枈に぀いおは、倧乗仏兞『倧般涅槃経』には別の物語の蚘述があり、それが芪鞞『教行信蚌』にごっそりず匕甚され浄土真宗の根本教矩の䞀぀「悪人正機説」の理論的裏付けになっおいたす。ですがそちらの玹介は、私の勉匷が足りおいないので、別の機䌚ずさせおいただきたく存じたす。

『倧般涅槃経』圓該郚の珟代語蚳は田䞊倪秀『ブッダ臚終の説法―完蚳 倧般涅槃経〈2〉』(倧蔵出版)P309、『教行信蚌』圓該郚の珟代語蚳は石田瑞麿『歎異抄・教行信蚌〈1〉』(䞭公クラシックス)P254で読めたす。

ブッダ臚終の説法―完蚳 倧般涅槃経〈2〉

ブッダ臚終の説法―完蚳 倧般涅槃経〈2〉

 
歎異抄・教行信蚌〈1〉 (䞭公クラシックス)

歎異抄・教行信蚌〈1〉 (䞭公クラシックス)

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