しいたげられたしいたけ

災害時のデマ、絶対ダメ!

「なんなら」の「その上」「加えて」の意味での用法が若い層中心に広がっているのか?

本題ではない枝葉末節の部分への反応です。私はそういうことをよくやります。

瀧波 和賀 さんという方の、こちらの note がネットでたいへん話題になっている。「はてな」では1月23日の1日だけで1100件以上のブックマークを集めている。

note.mu

両親が健在で経済的にも問題なさそうで一見幸せそうな家庭の、内側から見た「闇」あるいは「機能不全」を詳述した、きわめて印象深い記事だった。ただし私が記事の主題を消化して、自分なりの意見を文字にするとしたら、かなり時間がかかりそうだと思った。

興味を持って同じ著者の記事をいくつか読んでみた。そうしたら、この記事の中で気になる部分があった。繰り返しますが主題ではなく枝葉の部分です。

note.mu

引用、失礼します。

普段料理をしない母が作るすき焼きは、しょっぱすぎたり水っぽかったり、なんならアクはそのままで、決して「とてもおいしい食事」ではなかった。

あれ? 「なんなら」って、こんな使い方したっけ?

 

確認のため辞書を検索してみた。 何なら(ナンナラ)とは - コトバンク より一部引用。

デジタル大辞泉の解説
なん‐なら【何なら】

[副]《「なになら」の音変化》
1 相手が実現を希望していることを仮定する気持ちを表す。もしよければ。「何なら私のほうからお電話しましょう」
2 相手がそれを希望しないことを仮定する気持ちを表す。気に入らないなら。「ビールが何なら日本酒にしましょうか」

上掲の 瀧波 さんの文章では「その上」か「加えて」のような意味で使われているようだが、他の辞書を見てもそのような意味は見当たらなかった。

 

しかしブログを読んでいると、「なんなら」のこのような使い方は、しばしば見かけるのだ。おそらく若い人たちを中心に。

年子のお子さんの子育てに奮闘する美人お母さんブロガー はるちゃむ(id:harucham87)さんの、1月21日付エントリーより。言及&引用失礼します。

www.harucham87.com

昼寝くらいしか爆睡しない次男だし。。
なんなら昼寝すら30分置きに起きるときあるし

何もできませんが、いつも心ひそかに応援しています (^_^;

 

最近は上海情報を積極的に発信されている ぷかしゅ(id:pucayu)さんの、1月23日付エントリーより。言及&引用失礼します。

whostolemysheep.hatenablog.com

なんならケチャップで炒めたスパゲッティもパンに挟んで食べるよと言ったら「イ〜っ」とおぞましいものを見る目で見つめられました。

ナポリタンドッグの存在はもちろん知ってるけど、日本人としてもあれはちょっと (^_^;

スポンサーリンク

 

「なんなら」でぐぐると、こうした用法はかなり広く行われているようで、違和感を表明したり「誤用」だとはっきり書いたりしている記事もまた、いくつか見つかった。

発言小町の 2017年7月18日のトピック。小町のことだから、これで何かの結論になるわけではないが、記録として。

komachi.yomiuri.co.jp

 

やはりGoogle上位でヒットした 渓美居堂くまら さんという方の2016年11月21日付アメブロ記事。リンク失礼します。

ameblo.jp

渓美居堂 さんの記事は、言い換えが巧いと思った。もともとの意味、辞書的な意味の「なんなら」には、肯定にせよ否定にせよ相手の内心を推測したうえでこちらの意向をおっ被せるというような、やや強いニュアンスを伴う場合があるのだ。

「なんなら差し上げましょうか?」≒「欲しいんだったらあげましょうか?」

「なんなら伺いますよ」≒「来たくないならこっちから行きますよ」

いっぽう「その上」「加えて」というつもりで「なんなら」を使うとしたら、そこまで強いニュアンスを込める意図は、おそらくないであろう。

年輩者が若い人の言葉遣いに違和感を感じるとしたら、そのあたりがポイントかも知れない。

 

言葉というものは変化するものである。

google:定着した誤用

google:定着した誤読

などを検索すると、手に負えぬほどの実例がヒットする。「輸出」がほんらいは「しゅしゅつ」と読むというのは、今の今まで知らなかった!

だから、あくまで私の個人的ポリシーとしては「誤用」という言葉は、あまり使いたくない。

 

ただ違和感の正体として、「元の意味が邪魔をする」「元の意味がうるさい」というのは、ちょっとメモしておきたいと思った。

これもあくまで私の個人的感想と断ったうえで、他に思いついた例を一つ二つ。

大相撲の八角部屋には「北勝〔ほくと〕」のつく四股名を名乗る力士が多く所属する。言うまでもなく師匠の八角親方の現役時代の四股名「北勝海〔ほくとうみ〕」にちなんだものだ。

だが「勝」を「と」と読むのに、いつまで経っても慣れることができない。

八角親方の出身地である北海道に存在する「十勝〔とかち〕」という地名が、どうしても頭に浮かぶからだ。「十」は「と」と、「勝」は「かち」と読むよね。

 

岐阜県北中部が「鶏〔けい〕ちゃん」というのを名物料理として売り出しているが、この名称が古くからあるアメリカの郷土料理「ケイジャンチキン」と引っかかってどうしてもダメだという話は、以前にエントリーに起こしたことがある。

www.watto.nagoya

スポンサーリンク