ロシア軍のウクライナ侵攻に強く抗議し即時停戦を求めます。
今回の事変に関しては、様々な意見が聞かれる。「安全地帯から戦争反対を叫んで何の意味があるのか?」と主張する有名マスコミ人もいる。一見理がありそうに聞こえるが、この言説が誰を利するか少し考えればその無謀さがわかりそうなものだ。
それでも理がありそうに聞こえてしまうのは、戦争反対がとがめられる地域で戦争反対を発信している人が、とんでもない苦境に陥っていることを想像し、わが身と引き比べてしまうからだろうか?
むしろ、だからこそ逆に戦争反対を口にできる環境にいる者こそが戦争反対を言わなくてどうするという発想になるのが自然だと私は考えるのだが。
ロシア国内において戦争反対を訴えた人たちのニュースは、いくつも「はてなホッテントリ」に上がっている。拙エントリーでは「はてなブロガー」marco(id:garadanikki)さんが今日(3/13)付で公開された記事に言及したい。IDコールお騒がせします。
古山高麗雄 さんは、戦争という狂気の時代にあって正気を失わなかった数少ない人のお一人のようにお見受けした。
marco さんは『二十三の戦争短編集』所収の『白い田圃』から「スパイが逃げ込んだ」としてミャンマーの村の包囲殲滅を謀る場面を紹介されている。村の背面から砲弾を撃ち込んで、逃げ出してくる村民を重機関銃で掃射しようというのだ。
目論見通り、最初に村から飛び出してきた何人かは撃ち倒された。
10歳くらいの女の子の手を引いた母親が飛び出してきたとき、主人公はどのように振舞ったかというと…
私はこの主人公のように行動できただろうか? 読まなければならない本が、また一冊増えた。
「戦争反対!」と叫べるうちに「戦争反対!」と叫んでおこうというわけで、今週もアットウィキさんで愛知県の集会やデモを調べた。
デモ・抗議開催情報まとめ(反戦・反新自由主義)【3/13更新】
愛知県の情報は、多いとは言えないが2件あった。
私たちにできることは #NOWAR の声を上げこと
— 愛知県平和委員会 (@aichi_peace) 2022年3月9日
ロシアのウクライナ侵攻に抗議します
日時:3月13日(日)13:00~
場所:ヒサヤオオドオリパーク南側
平和委員会青年・学生部#ウクライナに平和を#NoWarInUkraine#НетвойневУкраине#ロシアのウクライナ侵攻に抗議します#戦争反対 #ロシア侵略 pic.twitter.com/ukd5jV3Fbv
市民の皆さんによる緊急集会が行われます🇺🇦
— 新井あゆみ (@hynjHvGpqiIQC7T) 2022年3月11日
3月13日(日)14時~
尾張瀬戸駅
パルティせと東側時計台付近
リレートークで発言、支援金、プラカードを持つなどなど
できることで連帯して
ロシアのウクライナ侵略を
止めましょう🇺🇦
どなたでも参加OK👌#ロシアによるウクライナ侵略に抗議します pic.twitter.com/WzJsMK2wtE
かけ持ちしようかと思ったが調べたら名古屋から尾張瀬戸までは思ったより時間がかかるので、無理はしないでヒサヤオオドオリパークの方だけ参加した。
ちょっと失敗した。ヒサヤオオドオリパークは先週と同じ久屋大通=通称100メートル道路の中央分離帯にある公園だが、道路というだけあって距離がある。先週のエディオン久屋広場の最寄駅は名古屋市営地下鉄の矢場町駅だったが…
今回はマップと公園名の字面から判断して2駅北の久屋大通駅で降りてしまった。
矢場町駅と久屋大通駅の中間にある栄駅が最寄り駅だったのだ。なんなら先週のエディオン久屋広場も栄駅からの方が近かったかも知れない。
(あくまで今回の集会場所の話です。久屋大通駅は南北に細長いヒサヤオオドオリパークのど真ん中あたりにあります)
集会ラストの主催者からの発表によると、参加者約110名。
集会はリレートーク形式で、スピーチに立ったのは15組17人とのことだった。
最初の何組かは聞き逃した。
先週同様、今回もメディアの取材がわりと多かった。
参加者の顔を写すわけにいかないから、今回もプラカードを何枚か撮らせてもらった。
私が聞き始めた最初の方のリレートークは、だいたいウクライナ人と日本人が交互だった。
ウクライナは人口4400万人でヨーロッパでも上から数えたほうが早い大国とは知ってたけど、名古屋みたいな地方都市にもこんなに多いのか!?
後半は日本人が続くようになったが。
何人かのスピーチの概要は 愛知県平和委員会@aichi_peace さんがツイートされていますので、よろしければ閲覧ください。
弊ブログでは、印象に残った方お二方のみのスピーチを短く。
ドネツク州出身の方によると、現地では電波やライフラインがほぼ途絶し、現地にとどまっている人は雪を溶かして煮炊きしている状態とのことだった。
この方に限らずウクライナの方々は、子どもまでが犠牲になっていることに言及した途端、みなさん一様に絶句されていた。
最後の方でスピーチに立った元航空自衛隊の方によると、紛争地域に派遣された自衛官には宿営地が砲撃されたりして帰国してから長くトラウマやPTSDに苦しめられている人が少なくないとのことだった。この方は国家賠償請求の原告団にも加わっているとのことだった。
今月初めに「日本人は核兵器被害への『解像度』がかなり高い方ではないか」というトゥギャッターが「はてなホッテントリ」入りしていた。
これを読んだ時にはなるほどと思ったのだが、いっぽう戦争によるトラウマやPTSDに関しては、日本人の「解像度」は決して高いとは言えないのではないかと思わずにいられなかった。アジア太平洋戦争ではおびただしい日本人が深い傷を受けたが、精神医学的な解明は残念ながら現代のレベルとは比較にならない。
では解像度高そうな国は具体的にどこかというと、即座にアメリカ合州国という国名が思い浮かぶ。
ベトナムで従軍経験のあるオリバー・ストーン監督や…
やはり軍歴があり日本語で多くの著作を発表している政治学者のダグラス・ラミス氏らを想起したのだが…
幸か不幸か(幸なんだろうけど)共通の体験基盤を持たないため、彼らのメッセージをきちんとと受け止められているか自信が持てない。
戦争は最悪の人権侵害にして最悪の環境破壊である。
我々は職場に出勤するとき、誰もが多かれ少なかれストレスを感じる。もしそのストレスの原因となるパワハラ、カスハラ、モラハラ、過重労働といったものが、機銃掃射、砲撃、あるいは核攻撃による脅迫に置き換わったとしたら…
ひょっとしたら我々には今、そういう想像力を持つことが求められているのかも知れない。
そしてそうした想像力を持つことは、予想をはるかに超える難事であるような気がする。
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