自己満足的数独(ナンプレ)プレイ記録である。前回と前々回の拙エントリーで新戦術「2択先書き法」を導入したことを述べるとともに、前回拙記事には「この先、さらに新戦術を導入することがあるかも知れないが、それがどんなものか今は想像つかない」という意味のことを書いた。だが現実の要請により、短期間でさらに2つの新戦術を導入することを余儀なくされた。
具体例はあとで示すとして、新戦術の概要のみを先に記す。
一つ目は「2択先書き法」で、書き込める空白マスが2択となる数字と、空白マス3択以上になる数字は、メモ書きするフォントの色を変えることにしたことだ。
2択とそれ以上では、扱いが明らかに違ってくることが体感的に確信できたからだ。2択は「2国連合」「半確定ライン(旧ローカル呼称どっちに入ってもこっちしか残っていないだろう)」などに直接利用できることがあるし、2択の片割れに別の数字が確定したとき即座に残りが確定する。これによりプレイ時間を短縮することができた。
「2択先書き法」で2択候補のフォント色を変えることを「2択先書き法・改」とでもローカル呼称しようと思う。
二つ目は、空白マスに書き込んだ候補の数字のメモは、フォント色を目立たぬ色に変え最後まで残すことにしたことだ。
問題の難度が向上するにつれ空白マスにメモ書きする候補の数字の数が増えてきたことは、拙過去記事に何度か書いた。そうすると数字が確定したとき、書き込む数字を間違えるという単純ミスも生じがちになった。
気持ちの悪いことに、ミスは最終段階で数字が合わないという形で発覚する。そういう場合、戻れるところまで戻ってやり直すしかないが、どこでミスをしたかわからないままだとよけいに気持ちが悪い。メモ書きを残しておけば、どこで間違えたかも見つけやすいのではないかという考えである。
ローカル呼称は「候補メモ最後まで残す法」としておこう。「名は体を表す」「あまり長くない」を命名方針にしているが、まあ満たしているのではなかろうか。
どうでもいいことだが、あまり長くない方がいいということで旧ローカル呼称「どっちに入ってもこっちしか残っていないだろう」を他サイトの呼称「半確定ライン」に変えたと言いながら、「半確定ライン(旧ローカル呼称どっちに入ってもこっちしか残っていないだろう)」とばかり書いているので、かえって長くなってしまっているな。
前置きが長くなった。今回は本文も長くなる。なにせ取り組んだ相手ニコリ編著『ポケット数独上級篇1』P78 の 71(Level8) は、体感的に過去最高の難易度だったのだ。核心部で定型的な解法がどれも使えなかったという意味で、この拙過去記事で題材にした P34 の 27(Level7) に似ていた。
例によって初期値を背景色黄色で示す。1巡目の数字6までを検討し、書き込める数字は書き込み、入る候補の空白マスが2択に定まる場合は数字をフォント色赤でメモ書きした状態が次図。次図には出てこないが、入る候補の空白マスが3択以上の場合はフォント色を黒にして区別する。これが「2択先書き法・改」である。
続いて7を検討する。初期値の飛車にらみ(ローカル呼称)により上から4行目、左から4列目が確定する。
この確定した7を用いた飛車にらみにより、上から3行目左から5列目(右から5列目でもある)の7が新たに確定するが、この7が2択の3の片割れを消すため…
残りの3も確定するというわけだ。これが「2択先書き法」のご利益だが、違った形でメリットが現れるケースもある。
こんな調子で何順かして、確定した数字は書き込み、書き込める空白セルが2択となる数字はフォント色赤で、書き込める空白セルが3択以上となる数字はフォント色黒でメモ書きしたのが次図。
ここで手が止まった。
難問を相手にしたとき一晩二晩寝かすことは珍しくないが、たまたま実生活の多忙と重なったこともあって、今回のは一週間近く寝かせたんじゃなかったかな?
問題が間違ってるんじゃないかとさえ疑ったぞ。メロス、私を殴れ!(オモコロの人気記事 私も読んだ
解決の糸口は、次のようなものだった。
最下行の5に着目する。入れられる候補の空白マスは、下段左側の3×3ブロックにしかない。
そうすると最下行以外の下段左側の3×3ブロックには、5を入れることができないことがわかる。
そうすると、右から2列めで5を入れられるのは、上から5行目(下から5行目でもある)しかないことがわかる!
「一気通貫」とローカル呼称している解法の変形だが、5の入るもう一つの候補だった下から3行目を除外する技には、まだ名前をつけていない。こんなの出てきたのは初めてだ。また出てくることがあるだろううか(たぶんある
なおご覧の通り、数字が確定したあとの候補のメモ書きは、フォント色を灰色にして残している。Excelの「オブジェクトの選択」機能により、最後に一括して削除することができるのだ。これが今回の新戦術の2つ目「候補メモ最後まで残す法」である。
繰返しになるがこちらの新戦術のご利益は、ミスを減らすこととミスをしたときどこでミスったか気づきやすくすることなので、ブログ記事中に具体例を示すことは難しい。
しかし新たに定まった5自体によっては、いくつか空白マスに入る候補は減らせるものの、連鎖反応は生じなかった。
連鎖反応が発生したのは、やはり右から2列目の変形一気通貫により確定した下から3行目の3によってである。
この3の飛車にらみによって下段中央3×3ブロック中の2択の3が消え、それによって2択の片割れだった同ブロック下から2行目の3が確定…
下段右側3×3ブロック中の5、1が、やはり片割れを失うことにより相次ぎ確定するのである。
新戦術1つ目「2択先書き法・改」のご利益は、中盤から終盤にかけても発揮される、と自己評価つか自己満足つか。
2択の片割れが消えることで確定するマスが、さらにいくつかあるが省略。
左から5列目に着目すると、上から2行目と5行目の6と9が2国同盟を構成していることに気づく。ローカル呼称「意図せざる2国同盟」である。
すなわち左から5列目のそれ以外の空白マスに入る候補から、6と9が除外できる。
これにより下から3行目の5が確定する。
ここからしばらくgifアニメにまとめてみた。今回2枚のgifアニメ中の1枚目で、最終形まではいかない。
gifアニメは自分で作っておきながら「わかりにくいわかりにくい」と毎回のように言っているが、「候補メモ最後まで残す法」を採用したらさらにわかりにくくなったような…
せめてフォントが半透明だったら、少しはわかりやすかったかな? あんまり変わらないか…
ともあれ、なんでgifアニメを中断したかというと「意図せざる2国同盟」により候補を絞り込む場面が、もう一度出てきたからである。
上段左側3×3ブロックに着目すると、左から2列目1行目と3行目に1と6の2国同盟が成立している。
よって上段左側3×3ブロックおよび右から2行目の空白マスの候補から1と6が除外でき、それによりいくつかの数字が確定する。
左から3列目の6と8の2国同盟を使ってもよかったが、左から2列目の1と6を使った方が消せる候補が多そうに思えたからそっちを使ったまでである。検証はしていない。
またしても中途をいくばくか省略しているが、以下、最終形までのgifアニメを示す。今回2枚中2枚目のgifアニメである。
問題の難度が上がると、それに比例して解法を第三者にわかってもらえるよう説明することの難度も上がるのを感じる。
仕方のないことかも知れないが、何とかできないだろうか。自分で何とかしなきゃ、誰も何もしてくれないけど。
恒例、最終形のみ静止画で。候補の数字は全削除した。タネ本P122 の ANSWERS と一致している。
追記:
この解法パターンが P83 の 76、P84 の 77 とその後もしばしば出てきたため、名前が欲しくなった。
3行中2行に特定の数字がある2ブロック、3行にその数字がある1ブロックが揃うと、最後のブロックの1、2行目の候補からその数字が削除できるってことで、これから3列中2列、2列、3列というのが出てくるかも知れないから、「仮称:2の2の3」としておこう。
もっといい名前が思いついたら、差し替えるかも知れない。