私が加入している地域労組が原告側を全面支援し、また私も個人的立場から原告側を全力応援している鈴鹿大学裁判関連の記事です。前回はこちら。
3月16日の2回期日まで20日ほどになりました。前回の「解雇努力義務(ママ)ってなんですか?」のような、とんでもねーネタは他にもいろいろあるのですが、裁判戦略というものがあり支援者個々人がめいめい勝手に発信していいものではありません。
今回は、地域労組などで作る支援団体が1月と2月の2度にわたって配布した街頭宣伝ビラのうち、2月に大学周辺で配布した方の画像データとテキストデータを転載拡散します。
ビラの内容については事前に弁護士に相談し、「どんな正当なビラでもリスクはあるため、これなら絶対大丈夫とは保証しかねる」としながらも「これでいいのではないかと思います」とのコメントを貰っています。
リスクというのは、ネットで拡散するにあたってはスラップ訴訟のようなことが考えられます。常々書いているように、拡散という行為は拡散した者も元発信者と同等以上の責任を負うからです。
違うと言われるかも知れませんが、私の持ち合わせている相場では弁護士を頼むだけで約50万円、裁判になると数百万円の出費が必要になります。地域労組は最高裁まで行った場合、約400万円という数字を想定しています。
だが幸か不幸か私には、訴訟の1件や2件であれば維持できる財力があるようです。万一鈴鹿大学がブログで拡散したことに対してスラップをしかけて来たら、受けて立つと申し上げておきます。
そもそも原告が提訴に踏み切った理由の一つに、大学側の主張を受け入れないのであれば裁判しかないと、逆スラップと形容すべき挑発をおこなったことがあります。
【鈴鹿大学団体交渉名言集20210316】【逆スラップ訴訟】「これを是とするということであるのか、是としなければ裁判とかそういうかたちで法的な対応をしていただくのが筋」/団体交渉で重要な質問に答えず、文句があるなら裁判をしろと誘導する卑劣な手段。
— 非正規労働者の安定した雇用を支援する会 (@hiseikishien) 2023年2月20日
数百万単位の出費を強いられるのは、原告も被告も同じです(なお敗訴した側は裁判費用も負担しなければならない)。下手をすると非常勤講師の雇用を維持した方が、コストは少なかったかも知れません。
鈴鹿大学の態度には理解に苦しむものが多いのですが、経済的合理性という点でも疑問を感じます。
ビラの表面の画像データです。学生を想定した内容になっています。
本文のみ文字データも貼ります。
安心して社会に出る前に
大学で身につけたい
働き方・働かせ方のルール人間らしく働き続ける権利はみんなのもの
もうすぐ卒業、そして卒業生が社会人となる季節です。一人前になろうとするその反面で、働き続けられるのかという不安がよぎります。就職できても、途中で仕事を辞めてしまったらとたんに再就職困難な日本社会。そしてその後の人生にも不安な見通しが。
そんななか、働くルール=労働法の知識くらいは大学で身につけさせてもらわないとわが身が保てません。
また私たちも、その知識を提供します。知っておくと便利
知識はあなたを守る
クビ切り・賃下げの多くは違法なものばかりです。こんな知識でも、知っておくとわが身を守ることができます。ご相談は随時受け付けます。
●このくらいの知識があれば、かなり安心
①正規・非正規を問わず労働者には労働法が適用
②事業主には労働条件を書面で明示する義務
③最低賃金を下回るのは違法。差額は請求できます。
④残業したら割増賃金を請求する権利があります
⑤有休を与えるのは事業主の義務です
⑥育児・介護休業は男性も女性もとれます
⑦ハラスメント防止は事業主の責任
⑧社会保険・労働保険加入は事業主の責任
⑨「不合理な格差」と思ったら必ずチェック
⑩あきらめないですぐユニオンに相談を
裏面です。鈴鹿大学裁判の概要説明になっています。
文字データです。
【# アフター無期転換問題】
定年まで働ける契約をした非常勤講師を
鈴鹿大学がクビ切り
撤回を求めて裁判しています
みなさん。1年ごとなどの有期の労働契約でも、勤続して5年を超えたら、労働者側が雇い主に申込むことで「無期労働契約」に転換できることをご存知でしょうか?
現在、この制度のもとで劣悪ながらも雇用だけは維持している労働者が全国に相当数います。しかし無期転換を阻止したい企業や大学などが現在、立場の弱い非正規労働者を大量雇止めしようとしています。
鈴鹿大学では、約20年、非常勤講師として授業を担当し、無期転換の労働契約を締結した人が、「2021年度から契約を終了する」とクビ切りにあい、現在、津地方裁判所で解雇無効の裁判をたたかっています。
「せっかく無期転換をし、定年まで安心して働けると思っていたわたしたちにとって、寝耳に水のできごとでした」――当事者はいいます。
この間、東海圏大学非常勤講師組合は、1年以上にわたって鈴鹿大学側とたび重なる団体交渉を行いました。しかし、解決には至りませんでした。
当事者たちは、「1年後には仕事がなくなるかもしれない」という不安から、「定年で働ける」という安心感を得yとうとしただけです。
無期転換をしたのに、企業や大学側の一言で労働者をクビにできるのなら、無期転換権の意味がなくなってしまいます。
現在、全国で多くの非正規労働者が組合とともに団体交渉をしたり、訴訟を起こしてたたかっています。1人ひとりの労働者がたいせつにされる、働き続けられる社会を。私たちはこの問題を全国の多くの皆さんに知ってもらいたいと思います。ご支援よろしくお願いします。「法の趣旨に則った公正な判決を」
安心して働き続けられる社会をつくるために
2012年の労働契約法の改正で、継続して5年を超えた労働者がその申込みによって無期労働契約に転換できる制度がつくられました。このとき参議院厚生労働委員会で小宮山洋子厚労大臣は、「労働者が安心して働き続けることができる社会を実現するため、……ルールを整備することにし」たとしました。
もしも鈴鹿大学のように、無期の労働契約になったにもかかわらず、使用者が契約を終了させることが認められてしまうと、安心して働き続けるどころではなくなります。
ぜひみなさんのお力をお貸しください。
Change.Org へは直リンを貼ります。
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