私が加入している地域労組が原告側を全面支援し、また私も個人的立場から原告側を全力応援している鈴鹿大学裁判について、支援団体が発行する「裁判傍聴のお願い」というメールニュースを5月16日拙過去エントリーに転載しました。
公判期日の概要を報告したいところですが、たびたび書いている通り裁判戦略というものがあって支援者めいめいバラバラの情報発信は慎しまなければなりません。幸い支援団体が発行するメールニュース最新版がそれを速報するものでしたので、弊ブログに転載してお知らせしたいと考えます。
その前に、直近の動きとして非常勤雇止めの無効を求めた裁判での新たな原告側勝訴を伝える報道があったので、ブログカードを貼って紹介します。
過去に専修大裁判の上告審や羽衣大裁判の控訴審で原告側勝訴の判決が出ていましたが、専修大と羽衣大の裁判では非常勤講師への「研究者の無期転換１０年特例」の適用可否が争われたのに対し、この関西福祉大裁判では（共同通信の記事には明記してありませんが）過去の判例によって確定し改正労働契約法19条で法定化された「期待権」が根拠になったのではないかと想像します。
関西福祉大側の主張は、非常勤講師の期待権を覆すに足る法的根拠を持たなかったのではないかと想像します。
ちなみに労働契約法改正のきっかけとなった裁判は「東芝柳町工場事件」として知られています。東芝柳町工場の跡地はキヤノンに売却され工場自体は残っていないのですが、雇い止め事件の名前としてはずっと残るのです。
以上は素人の私の想像にすぎず間違っているかも知れませんが、判決文は労働法のプロである原告代理人の弁護士チームが即座に入手し、今後の裁判戦略に反映されることは間違いありません。
以下、最後まで転載です。
鈴鹿大学無期転換後のクビ切り撤回裁判メールニュース（No.019., 2023.5.19）
みなさん
鈴鹿大学裁判の第３回期日が５月18日10時、津地方裁判所で行われました。傍聴者は約30名で、ほとんどが原告支持者のようでした。被告の鈴鹿大学側はオンライン出席を希望したため、被告代理人の映像が法廷の原告席・被告席頭上に設置されたディスプレイに表示され、裁判長は原告席に着席しました。原告が提出した第１準備書面の後半部にある「整理解雇の４要件」「解雇権濫用」に関して裁判長より被告に認否と反論の有無の質問がありましたが、被告は全体として検討するとして今回の回答はありませんでした。次回（第４回）期日は８月８日14時から、原告側で準備中の文献調査（専門家の意見書）は、間に合えば提出するとしました。閉廷後、隣接する弁護士会館で原告の報告会が行われました。
次回期日、どうかよろしく傍聴に足をお運びください。------------
鈴鹿大学裁判、原告の大本です。本日はお暑い中、たくさんの方に傍聴支援にいらしていただき、ありがとうございました。
今回の第３回期日では、被告である鈴鹿大学の主張に対する反論とその証拠書類を裁判所に提出しました。
被告の主張でとりわけ重要なのは、非常勤講師との無期労働契約には、担当授業がなくなれば、契約が自然消滅することが「内包」されている、というものです。これは、労働契約書に明文化されておらずとも、労働契約が自然消滅することがあり得る、つまり無期転換しても、担当授業を取り上げさえすれば、首を切ることができるという主張です。
こんなことが認められれば、無期転換制度は全くの骨抜きになってしまいます。私たちは、この「内包論」の根拠、証拠を提示するよう被告に迫っていますが、今回の裁判では、次回期日までの提出を拒否しました。
被告は、整理解雇のための４要件をまったく顧みずに私たちの首切りを強行し、これまで「解雇」という表現も避け続けています。いまさら「解雇」とは言えずに創出した形の「内包論」を、裁判所に認めさせてはなりません。
皆様、無期転換後の労働環境の安定のため、ご支援を引き続きよろしくお願いいたします。
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原告Ａ
今日で３回目となりましたが、ようやく本格的な内容に入り始めたという意味では初回だという気持ちで少し緊張していました。しかし、被告がオンラインでの出席だったため、傍聴席の方々を含め、この場にはわたしたち原告側に敵意を持っている人はいないという心強さがありました。次回は８月と、３か月も空いてしまいますし、例年通りの酷暑が予想されますが、是非、傍聴に来ていただき、わたしたちを支えてくださればと思います。本日もありがとうございました。
非正規労働者の安定した雇用を支援する会事務局https://sites.google.com/view/mukitenkan/
Twitter https://twitter.com/hiseikishien
（フォロワーになってください）2023年5月19日8時16分51秒 金曜日
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