🍉しいたげられたしいたけ

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【創作】学校なくなっちゃった!(5)第3景「ミドルボスのオフィスにて」(その2)

新着お目汚しを避けるため、日付をさかのぼって公開しています、と言いつつ日付追いつきつつあるじゃないか。思ったより執筆順調で、もっと苦戦するんじゃないかと恐れていた。完結させられるか不安だったから日付をさかのぼってきたのだけど、何とかなりそうだ。もし追いついたら、以降リアルタイムで公開するしかない。そうすると、意地でも完結させなければならなくなる。もちろん一抹の不安あったといえ、完結させるつもりで連載スタートしたにせよ。

目次

前口上&(1) 第1景 通学路と朝の教室

(2) 第1景 通学路と朝の教室」承前

(3) 第2景 学校なくなっちゃった!

(4) 第3景 ミドルボスのオフィスにて(その1)

(5) 第3景 ミドルボスのオフィスにて(その2):本稿

(6) 第4景 旅の支度

(7) 第5景 謎の友だちと謎の都市へ

(8) 第6景 謎の都市ナゾジャ到着

(9) 第7景 ナゾジャ市広報担当ヤマシマ(その1)

(10) 第7景 ナゾジャ市広報担当ヤマシマ(その2)

(11) 第7景 ナゾジャ市広報担当ヤマシマ(その3)

(12) 第7景 ナゾジャ市広報担当ヤマシマ(その4)

(13) 第7景 ナゾジャ市広報担当ヤマシマ(その5)

(14) 第8景 帰途〔かえりみち〕

(15) 終景 真相(その1)

(16) 終景 真相(その2:完結)

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第3景 ミドルボスのオフィスにて(その2)

カーミィ・サッマーの前からカラオケ機材がぱっと消える。

カーミィ「とにかくギャフ県をギャフンと言わせたい」

ミチヒロ「それが言いたかったんでしょ」

ミドルボス「だから口を慎んでくれ」

ミチヒロ「ギャフ県民はギャフ県民で、アイタタ県に対してコンプレックスを持ってると思いますよ」

ミドルボス「それはいいから」

カーミィ「幸いナゾジャ市をPRするに足る予算は、わが国でようやく目途がついた」

ミチヒロ「市の中に国があるなんて、ヘンなの」

ミドルボス「だからぁ!」

カーミィ「そんなわけで、マンガでもラノベでもアニメでもゲームでもいい、うちがスポンサーになるからナゾジャ市を舞台にしたコンテンツを作って売り出したいということで、あちこち声をかけているのだ」

ミドルボス「うちもそのお声掛かりをいただいたところというわけだ」

ミチヒロ「で、何をすればいいんですか?」

ミドルボス「まずは誰かにナゾジャ市を探検してもらって『冒険の記録の書』を作る。それを元にコンテンツを考えるのだ」

ミチヒロ「冒険って、何を? どこを? どんな?」

カーミィとミドルボス、声を合わせて「まだなーんにも考えていない」

ミチヒロ、ますますげんなりした顔つきになる。

 

ミドルボス「ところで猪飼くんの相談というのを聞こうじゃないか」

ミチヒロ「信じてもらえないでしょうが、今朝、登校したら小学校がなくなってしまっていたんです」

カーミィとミドルボス「小学校がなくなったって?」

ミチヒロ「大中市立大中中央小学校です。生徒と先生と職員合わせて400人が通っていました。それが1晩で、近所の工場や倉庫と一緒に消えてしまい、大きなショッピングセンターと駐車場になっていました」

カーミィ「ショッピングセンターを新築するには、1年以上かかる。学校や工場を取り壊して整地するとなると、もっとかかる。1晩でなくなるというのは不可能だ」

ミドルボス「クラスメートや先生は、どうしているかね?」

ミチヒロ「わかりません。まだ誰とも一人も会ってません」

ミドルボス「近所に同じ学校の子はいないのかね?」

ミチヒロ「あっ、考えたことありませんでした。うちの近所で同じ学校の子、えーっと、えーっと…」

ミドルボス「まあいい。もしかしたら、みんな普通に学校に通っていて今うちにいないかも知れない」

ミチヒロ「そんなバカな…でもそう言われると、そうかも」

カーミィ「事件性はなさそうだから、警察に話しても相手にしてもらえないだろう。とすると市役所か教育委員会に『大中中央小学校、どうなったのですか?』と問い合わせの電話をしても、いいかもしれない」

ミチヒロ「すごいや…大人と相談すると、一人では思いつかなかったアイデアが次々と出てくる。だけど、悪いけどそれで解決しそうな気がぜんぜんしない」

ミドルボス「厳しいことを言うけど、周りがおかしいことだらけに見えるときは、あんがい間違っているのは自分自身だったということが、よくあるんだよ」

ミチヒロ「そうかも知れません。だけどもしボクが狂っていて正気を取り戻したら、学校が元に戻って友だちや先生とも会えるようになるんですか?」

ミドルボス「そうであればいいのだが、今度はショッピングセンターとそこの従業員とお客さんたちが、どこに行ってしまうのかということになるな」

カーミィ「そうか、ミチヒロくん! 謎の都市ナゾジャへの取材は『小学校が1夜にしてなくなってしまうことがあるのか』というのをテーマにすればよい」

ミドルボス「面白そうですね。ナゾジャ市広報部門は、わが秘密結社の名前で依頼書を出せば取材させてくれるでしょう」

ミチヒロ「そんな、まどろっこしい」

カーミィ「急がば回れということもある。君が欲しいのは、まがりなりにも納得できる説明なんだろう?」

ミドルボス「取材している間に、近所の子たちも学校から帰ってくるかも知れない」

ミチヒロ「なんでボクがそんなことしなきゃならないんですか!?」

カーミィ「タダでとは言わん。報酬だ」

カーミィ、中空からコンテナのようなものを、ボンっ! と取り出す。

カーミィ「個室の勉強部屋だ」

空中からベッド、エアコン、TVモニター、オーディオセット、ゲーミングマシンなどを次々と取り出して、コンテナハウスに投げ入れる。

カーミィ「冷暖房完備、高速ネット回線接続、完全防音だ! 欲しいか?」

ミチヒロ「欲しいっ!」

ミドルボス「報酬が受けられる条件は、謎の都市ナゾジャで『冒険の記録の書』を作ることだけじゃないぞ。作った『冒険の記録の書』が、万人を納得させ満足させられるものに仕上がっていなければならない。わかるな」

ミチヒロ「いきなりハードルを上げましたね。でももしそれで学校がなくなっちゃった理由がわかるのなら、やるしかないんでしょ? やってみます」

追記:

続きです。

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