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(10) 第7景 ナゾジャ市広報担当ヤマシマ(その2):本稿
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(10)第7景 ナゾジャ市広報担当ヤマシマ(その2)
ヤマシマ広報担当「学校を計画的に統廃合したケース以外に、戦災や大規模災害で廃校のやむなきに至ったケースもあります。第2次大戦時は現代と学制が異なりますので直接の参考にはなりにくいと思われますので、東日本大震災を例にとると参議院事務局企画調整室『立法と調査』2013年6月号に掲載された『被災三県における児童生徒数の減少と学校の統廃合』という記事が参考になるかとご紹介します」
ディスプレイにQRコードが映し出される。
マコト「QRコード認識しました。ダウンロードします」
ヤマシマ「初めの方に全国の小・中学校の児童生徒数の推移、小・中学校数の推移、年度別廃校発生数のグラフが載っています。また『公立学校の適正規模・適正配置と市町村における学校統廃合』の説明も詳しいです」
ヤマシマ、ディスプレイにグラフを映す。
ミチヒロ「勉強になりそうですね。(マコトに)学校の適正規模、適正配置って、知ってた?」
マコト「知らない」
ヤマシマ「この資料によると、平成24年、2012年度末に岩手県で6校の小学校と3校の中学校が、宮城県で11校の小学校と5校の中学校が廃止されています。いっぽう翌平成25年、2013年度に岩手県で2校の小学校、1校の中学校が、宮城県で3校の小学校、2校の中学校が新設されています。もともと統廃合が決定されていたり検討されていたりしたところが、震災により一気に加速された側面もあるとのことです。いっぽう福島県は、東京電力福島第一原子力発電所事故による帰宅困難地域指定という事情もあり岩手・宮城と直接比較できないですが、小学校8校、中学校4校がこの資料の時点で『臨時休校中』という扱いになっています」
マコト「再開できるところは、できるだけ早く再開できますように」
ミチヒロ「跡地利用という意味では、生徒数減による統廃合より、もっと年月がかかりそうですね」
ヤマシマ「これから申し上げることは、あくまで私個人の私見です。学校が1晩でなくなってショッピングセンターに変わってしまったというのは、10年20年単位で起きたことを時間を早送りする、大掛かりなようで至って単純なトリックが使われているのではないでしょうか。すみません、私がこんなことを申し上げても解決にはつながりませんね」
ミチヒロ「いえいえ、ありがとう、気持ちが嬉しいです」
ヤマシマ「お申し越し次の項目に移らせていただきます。私どもナゾジャ市で1人1台端末が実現したのは令和3年、2021年の9月からです」
ディスプレイに『ナゾジャ市におけるGIGAスクール構想』というホームページが映し出される。
ヤマシマ「QRコードもお示しします」
画面、QRコードに切り替わる。
マコト「(ノートパソコンを操作しながら)比較的最近なんですね」
ヤマシマ「ナゾジャ市では小・中・特別支援学校に約16万台の端末を用意するなど、個々のデータが市のホームページにありますので参照してください」
ミチヒロ「ギガスクールって言うんですね」
ヤマシマ「GIGAスクール構想に関しては、文部科学省のサイトがあります。大変多くの情報がありますが、リーフレット『GIGAスクール構想の実現へ』からご覧になるとよろしいかと存じます。ハードウェア的には1人1台端末、校内LAN環境整備、教室への大型ディスプレイの配置など具体的目標が設定され予算がつけられています。コンピュータやLAN環境などを、まとめてICTと呼ばせていただきます。インフォメーション:情報、コミュニケーション:対話、テクノロジー:技術の略称です」
ミチヒロ「今の小学校では英語も勉強しているから大丈夫ですよ」
マコト「『学校のICT環境整備状況は脆弱かつ危機的な状況』ですって! 教育用コンピュータ1台あたりの児童生徒数、アイタタ県は全国最低だったんですか」
ミチヒロ「いつの数字だろう? 平成31年、2019年3月現在の確定値かな」
ヤマシマ「(小声で)恥をかかせやがってアホ市長め」
ヤマシマの目の色が、一瞬青からオレンジに変わって、すぐに元の青に戻る。
ミチヒロ「えっ、何ですか?」
ヤマシマ「あっ、すみません。ノイズが入りました。無視してください。GIGAスクール構想が導入された背景には、教育現場へのICT導入に地方差が大きかったのみならず、日本の学校におけるICT利活用が世界の後塵を拝しているという状況があったのです」
ミチヒロ・マコト「ふぅん」
ヤマシマ「しかし本当に大切なことは、端末やLANなどハードを整備することだけではなく、それをいかに活用するかです。小学校ではありませんが中学・高校では2003年度から教科『情報』が正課化されました。20年以上前ですね。このさい 『情報教育』『教科指導における情報通信技術の活用』『校務の情報化』という3つの側面、3本柱が掲げられました」
ミチヒロ、マコト、うなづく。
ヤマシマ「ごく簡単に言うと、 『情報教育』というのはICT機器の利活用など情報そのものを学ぶことですね。『教科指導における情報通信技術の活用』は、『情報』以外の教科にICTを持ち込むことです。『校務の情報化』は、激務で悪名高い教員の負担を、ICTにより効率化し少しでも軽減しようと申し上げればわかりやすいでしょうか」
ミチヒロ「先生みんなメチャメチャ忙しいです」
ヤマシマ「(目の色を変え小声で)優先度を間違ってんだよクソ市長」
ミチヒロ「すみません、何をおっしゃったかよく聞こえませんでした」
ヤマシマ「失礼しました。またしてもノイズです」
(この項続く)
追記:
参考サイトです。
名古屋市におけるGIGAスクール構想|NAGOYA School Innovation(ナゴヤスクールイノベーション)|名古屋市教育委員会
文部科学省『(リーフレット)GIGAスクール構想の実現へ』 (PDF)
続きです。
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