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生き残った100以上のやまとことばの数詞「いお」=500と「やお」=800

たまにやる言葉ネタです。

なにがきっかけだっただろう? 乃木坂46の五百城 茉央〔いおき まお〕さんという人の、写真集広告だったか何だったかをネットで見かけた。芸能界にうとい私のこと、申し訳ないけど、この方のことは知らなかった。

Amazonを検索したら、商品が見つかった。私が最初に見たのがこれだったかは、ぜんぜん覚えていない。

 

私が反応したのは「五百城」という姓の読みである。「五百旗頭」と書いて「いおきべ」と読ませる姓があることは、以前から知っていた。

ja.wikipedia.org

ja.wikipedia.org

 

これの、どこが珍しいと感じたかというと、現代日本語の数詞は10を超えると漢語に取って代わられてしまって「やまとことば」では数えられなくなるという旨を、以前に書いたことがあった。この拙エントリーの中だった。

watto.hatenablog.com

 

固有名詞の中とはいえ、500を「いお」と読むことが複数のケースで残っているのは、珍しいのではないか?

他の例としては、800を「やお」と読むことが即座に思い出せた。「八百屋〔やおや〕」「八百万〔やおよろず〕」などである。

100は「もも」だ。「百瀬〔ももせ〕の滝を上りなば たちまち竜になりぬべき♪」。あと百田〔ももた〕という姓がある。

100の倍数で、現代語に残っているやまとことばの数詞って、他にあったっけ?

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10以上100未満では、20を「はた」と読む事例に、「20歳〔はたち〕」「20日〔はつか〕」「十重二十重〔とえはたえ〕」などがある。

30は「30日〔みそか〕」「三十路〔みそじ〕」「三十一文字〔みそひともじ〕」もあるか。

 

40以上は「四十路〔よそじ〕」「五十路〔いそじ〕」くらいしか残っていないのではないか。ただし「六十路〔むそじ〕」以上は、あまり言わないよね?

ちなみに現代韓国語では、漢語起源の数詞が優勢だが日本のやまとことばに相当する固有語の数詞でも10以上を数えることができ、ことに年齢は固有語で言うそうだ。なんだかそのことを想起した。

 

表にまとめると…

1 10
2 20 はた
3 30 みそ
4 40 よそ
5 50 いそ
6 60 むそ
7 70 ななそ
8 80 やそ
9 ここの 90 ここのそ

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「ここのそ」聞かないな~。

それから「と」「はた」は不規則変化である。不規則変化って何だよ? ただし、これはこれで「やまとことば数詞は、2倍で母音が交代する法則」を踏襲していることが興味深い旨を、やはり拙過去記事で述べたことがあった。

watto.hatenablog.com

 

もし、こんな表を100以上でも作るとしたら、次のようなスッカスッカになってしまう。

1 100 もも
2 200
3 300
4 400
5 500 いお
6 600
7 700
8 800 やお
9 ここの 900

検索すると、200以上に関しては「やまとことばの1桁」+「ほ」で表すとのことだった。200〔ふたほ〕、300〔みほ〕、400 〔よほ〕、500 〔いほ〕…ただし現代語では「ほ」は「お」と音便するとの由。だから500は「いお」で800は「やお」なのか。

cototama.com

「いお」と「やお」が生き残ったのは、語呂がよかったからだろうと想像した。そうすると「みお」または「みほ」も生き残ってもおかしくないのでは…と思って検索したら、こんなのがヒットした。知らない世界だ。

三百年の子守唄 (みほとせのこもりうた)とは【ピクシブ百科事典】

 

では1000〔ち〕以上は、と考えると3000〔みち〕と8000〔やち〕が思いついた。縣犬養三千代、新珠三千代。「君が代は千代に八千代〔やちよ〕に♪」。5000は、なさそう。

 

10000〔よろず〕以上では、八百万〔やおよろず〕と千万〔ちよろず〕が思いついた。「互〔かたみ〕に思う千万〔ちよろず〕の♪」。作ればできるだろうけど、このあたりが最大かな? ご指摘歓迎です。

追記:

「ここの」が使いづらいため、作るとしたら「やちよろず(八千万)」が最大かと思って検索したら、高知の居酒屋、和菓子店、京都のweb制作会社がヒットした。

なお9の倍数には、やまとことば系の特殊な読みがあるが、趣旨が変わるな。

9…かぶ

18…おはこ

99…つづら、つくも

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