目次 各「その1」のみ クリックで詳細表示
(13) 第3景【鎌倉編】馬借・欠七(1/2)
(15) 第4景【現代編】個室病棟にて(1/2)
(17) 第5景【鎌倉編】ボクの無双(1/2)
(19) 第6景【鎌倉編】被差別集落(1/4)
(23) 第7景【鎌倉編】霊感商法(1/5)
(28) 第8景【現代編】ボクシング
(29) 第9景【鎌倉編】地頭・稲田(1/2)
(31) 第10景【現代編】哲学者
(32) 第11景【鎌倉編】心霊教ふたたび
(33) 第12景【現代編】裵〔ペ〕デスク(本稿)
(34) 第13景【鎌倉編】刺客
(35) 第14景【現代編】守衛
(36) 第15景【鎌倉編】大団円(1/4)
(40) 第16景 鎌倉編の後始末
(41) 終景 現代編の後始末(1/3)
新着お目汚しを避けるため、日付をさかのぼって公開しています。体裁にこだわらず頭の中にあるものをダンブしている、という意味です。 あとからどんどん手を入れる予定です。前回はこちら。
深夜の大手出版社 "株式会社 秘密結社" ライトノベル部門のオフィス。
ラノベ部門次長 (デスク) の裵〔ペ〕の机の周辺だけが、照明とディスプレイの光で照らされている。
裵、パソコンのキーボードと格闘している。カタカタという音が、無人のフロアに響いている。
やがて、ターン! とキーボードを叩く。
裵「送信、完了」
ふうっ、と息をつきながら「我ながら、昭和の働き方だな」。
パソコンの電源が落ちる。裵、席から立ち上がり、やがてフロア全体が真っ暗になる。
"株式会社 秘密結社" と社名石碑のあるビルの玄関から、裵が出てくる。
時計をちらっと見、ひとりごつ「最終電車まで、ちょっとだけ時間があるな」
裵、ビルの谷間に足を進める。
しばらく歩いた先に、鳥居と祠がある。ビル街に神社があることは珍しくない。
裵、背広の内ポケットからスマホを取り出す。
ちょっといじって、ディスプレイに写真を表示する。
ベッドに寝ている猪飼道大が写っている。
裵、神社に向かって、スマホを高々と掲げる。
拝殿前に進み出、うやうやしく二礼、二拍手、一礼。
そして鳥居のところでちょっと振り返り、また一礼する。
裵、ビルの社名碑のところまで戻る。
裵の独白「百度石の代わりだ」
そして、きびすを返し、ふたたび同じ道をたどり始める。
裵の独白「ネットミームで言うところの今北産業。1行目。お参りは、医学的・科学的には容体になんら影響を与えない。こういうとき、人類が作り出してきたものの中で、いちばん頼りになるのは医学なのだ」
裵、さきと同じ神社の前に出、二礼、二拍手、一礼。
そして独白「2行目。代参は、誰がやってもいい。私の田舎では "伊勢講" や"秋葉講" といって、町内で年ごとに代参者の当番を決め、三重県の伊勢神宮や火除けの神様である静岡県の秋葉神社の本宮まで、お札をまとめて貰いに行っていた。今でもやっているかどうかは知らない。とにかく、赤の他人がやってもいいのだ」
裵、またビルの社名碑のところまで戻る。
そしてまた、神社へと向かう。
「3行目。困難な容態にある患者さんのご家族は、どうしても "ああすればよかった"、"あんなことをしなければよかった" という後悔から逃れられないと聞く。もしも、赤の他人が差し出がましくも代参を買って出ることによって、たった一つ "お参りをしておけばよかった" という後悔だけでも取り除くことができたら、上出来以上である」
二礼、二拍手、一礼。
社名碑と神社の往復をさらに何度か繰り返し、時計を見る「そろそろ終電の時間か。続きは明日にしよう」
(この項つづく)
追記:
続きです。
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