しいたげられたしいたけ

弊ブログでいう「知的」云々は「体を動かさない」程の意味で「知能の優劣」のような含意は一切ない

謎解き日本のヒーロー・中国のヒーロー(中国編その2)

連番「その9」、通算では第10回目です。

 01877/01877 CXX02375 わっと 中国のヒーローの条件2・部下が優秀

( 3) 98/04/05 19:01

 とくに副将が優秀。

( 周 )文王・姫昌  …軍師の元祖・太公望呂尚(たいこうぼうりょしょ
           う)。子の武王発&周公旦e.t.c.
(春秋)斉の桓公  …宰相・管仲(かんちゅう)、管仲との「管鮑の交わ
           り」で知られる鮑叔(ほうしゅく)
(春秋)晋の文公  …伯父・孤偃(こえん)。あるいは介子推(かいしす
           い)。
(春秋)孔子    …子路(しろ)、子貢(しこう)、顔回(がんかい)ら高弟
           たち。あるいは孔子没百余年後に生まれ、儒学
           地位を確固たるものにした孟子
(戦国)魏の信陵君 …もと門番の侯贏(こうえい)、もと肉屋の朱亥(しゅ
           がい)。
( 秦 )始皇帝    …将軍・王翦(おうせん)。なんと始皇帝は六国を滅ぼ
           す際に一度も親征をしていません。
           また、優秀な部下とはいいがたいけど、秦滅亡時
           に重要な役割を演じる宦官・趙高(ちょうこう)。
( 漢 )高祖・劉邦  …相国・蕭何(しょうか)はじめ曹参(そうさん)、張
           良(ちょうりょう)、韓信(かんしん)e.t.c
(三国)劉備    …もちろん諸葛孔明関羽張飛趙雲e.t.c
( 唐 )三蔵法師玄奘 …『西遊記』の登場人物として、ということで孫悟
           空、猪八戒沙悟浄(笑)
( 宋 )宋江     …副将・廬俊義(ろしゅんぎ)、魔法使いの公孫勝(こ
           うそんしょう)ら梁山泊の百八人
( 明 )太祖・朱元璋 …創業の功臣は数々ありますが、靖難(せいなん)の帥
           までを明の建国物語とみて太祖の四男にして三代
           皇帝・永楽帝
(近代)毛沢東   …不倒翁・周恩来首相。あるいは劉少奇林彪、トウ
           小平(どこが優秀だ、というツッコミはご容赦を
           (^^;)。

98/04/05(日) わっと(CXX02375)

周王朝は約700年の長きにわたり存続しましたが、その大半は春秋・戦国と呼ばれる戦乱の時代でした。

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周王朝が戦乱におちいったきっかけとして、第12代幽王の王妃・褒姒〔ほうじ〕が、絶世の美女であったにもかかわらず決して笑顔を見せなかったため、幽王があの手この手で王妃を笑わせようとし、あるとき手違いで有事を告げる烽火(のろし)が上がり諸侯の軍勢が参集したところ、それを見た褒姒が笑い声をあげたため、幽王は繰り返し烽火を上げるようになり…というオオカミ少年のようなエピソードがあります。

  実際のところは、国土の開発が進んで人口が増え、辺境の諸侯の力が増し、その代わりに中央政権の相対的に低下したにすぎないのではないかと想像しています。殷末・周初の王朝の勢力圏は、黄河周辺の限られた区域にすぎないと推定されていますが、それが春秋・戦国になると、がぜん拡大するのです。

戦乱の中でまず覇を唱えたのが、東方にある斉という国でした。今でいう山東半島のあたりだそうです。太公望の子孫が封じられた国と伝えられます。この国に桓公〔かんこう〕という英主が登場します。

桓公は、兄弟の公子糾〔きゅう〕と主君の座を争います。のちに宰相として辣腕を振るう管仲は、はじめ公子糾に仕えます。そして桓公の暗殺を試みるのですが失敗し、公子糾は返り討ちにあって殺され、管仲も捕えられます。処刑されて当然の管仲でしたが、その才を惜しんだ旧友の鮑叔〔ほうしゅく〕がとりなし、桓公は寛大にもその罪を赦し自分の臣下として用います。その恩に感激した管仲は、名臣として辣腕を振るい、ついに主君を諸侯の盟主に押し上げるのです。

「牛耳る」という言葉は、諸侯が会盟したとき忠誠の誓いのあかしに牛の血をともにすするという、今日から見たらちょっと気味の悪い儀式をおこなったそうですが、その際に盟主が牛の耳をつかんで血を絞ったことに由来するそうです。

また、管仲と鮑叔の友情は、のちに「管鮑〔かんぽうの〕の交わり」という故事成語になりました。

管仲が諸侯糾合のために掲げた大義名分「尊王攘夷」(周の王家を重んじ、周辺の未開民族を討ち平らげる)は、はるか後世の日本の幕末に用いられたスローガンのオリジナルです。あと江戸時代の「五人組」も、元は管仲の政策だそうです。

国史を学ぶと、日本の歴史用語がもともとは中国史のものを転用したものであることがあまりにも多いのに気づいて驚かされます。「南北朝」「戦国」なんかもそうです。「維新」は四書五経が出典なので歴史用語とはちょっと違うかもですが。

なお私の春秋・戦国の知識は、陳舜臣『中国の歴史』全七巻のうち第一巻、安能務『春秋戦国志』全三巻、それに 鄭問の傑作読み切りマンガシリーズ『東周英雄伝』に多くを依存しています。『春秋戦国志』と『東周英雄伝』それぞれ一巻の書影を貼ります。

春秋戦国志 (上) (講談社文庫)

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東周英雄伝 (1) (講談社漫画文庫)

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