しいたげられたしいたけ

人権を守るには人権を守るしかない。人権以外の何かを守ることにより人権を守ろうとする試みは歴史的に全て失敗した

嶋正利『マイクロコンピュータの誕生 わが青春の4004』(岩波書店)

マイクロコンピュータの誕生―わが青春の4004

マイクロコンピュータの誕生―わが青春の4004

言わずと知れた人類初のマイクロプロセッサ4004の開発者の一人である日本人技術者が自ら著した本。表題の4004のほかに、8008、8080、Z80、Z8000といったマイクロプロセッサの開発過程が述べられている。
歴史に名前が残るような仕事をした人の書いた本を読むたびに、もちろん本人の才能や努力は不可欠であるものの、成功の陰には偶然としか言い様のない幸運の積み重ねがあったのだなと感じる。またどんな画期的な発明・発見であっても、それが実現するためには土台となる膨大な技術の下支えが不可欠であることを感じる。「人類初」というのは、いつでも既存の技術からほんの一歩、半歩踏み出したものなのだ。
ただし技術者の書いた本だけあって、細かいスペックや技術的なブレークスルーに多くのページが割かれ、けっして一般向きの本とは言えない。マイクロプロセッサなど半導体技術の開発過程をドラマ的に楽しみたいのであれば、NHK出版から出ている『電子立国』シリーズを読むのが適当であろう。