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高橋昌一郎 『ゲーデルの哲学―不完全性定理と神の存在論』(講談社現代新書)

ゲーデルの哲学 (講談社現代新書)

ゲーデルの哲学 (講談社現代新書)

ゲーデルの不完全性定理は、オリジナルはきわめて厳密かつ難解であることは有名だが、アナロジーとして「クレタ人のパラドックス(うそつきのパラドックス)」がよく用いられる。
「クレタ人のパラドックス」はさすがに乱暴すぎるためか本書では言及されていないが、著者は「正直者と嘘つきだけが住む島(ナイトとネイブの島)」というのがお好みらしく、本書のみならず新著の『理性の限界――不可能性・不確定性・不完全性 (講談社現代新書)』でも紹介している。
ところでゲーデルは晩年、「神の存在論的証明」というのを試みているのだそうだ。そのアイデアをアナロジーにより示すと

仮定1 神は完全である。[定義]
仮定2 もし神が完全であれば、神は存在する。
結論 ゆえに、神は存在する。

(p210〜211)
という古くから知られた論証に近いものになるのだそうだ。
ただし当時のゲーデルは「最後に書いた論文を撤回し、医者が本人かどうかを疑うような精神状態だった」(p219)とのことであるが。
追記:
すいません。今回はいつに増して印象の強かったところの単なるメモです。

理性の限界――不可能性・不確定性・不完全性 (講談社現代新書)

理性の限界――不可能性・不確定性・不完全性 (講談社現代新書)