🍉しいたげられたしいたけ

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宮田律『物語 イランの歴史―誇り高きペルシアの系譜』(中公新書)

意外なことに、中世〜近代にかけてのイランの歴史が、日本・中国・韓国など東アジア各国の歴史と似通っていることに気づいて、少し驚いた。
理由は、十三世紀のモンゴル帝国による侵略と、近世の欧米列強の進出という、二つの画期が最小公倍数のように存在することである。もう少し具体的には、これらの世界史的イベントを機会に王朝が交替し、またその中間で2〜3回、王朝が交替している。
・イラン
ティムール朝→サファヴィー朝→カージャール朝
・日本
室町時代→安土桃山時代→江戸時代
・中国
元朝→明朝→清朝
もちろん違いはいくらでもある。この期間、朝鮮半島では李氏朝鮮という一つの王朝がずっと存続したこと、日本の明治維新は近代化のきっかけという意味では他国に比べてタイミングが際立って早いこと、そしてイランのカージャール朝は、地理的に欧州に近いだけあって、成立早々から欧米列強の干渉や植民地的支配を濃厚に受けていたことなどが、すぐに指摘できる。
しかし共通項をくくり出すというのは、比較的なじみの薄い国の歴史にとっかかる攻略法という意味では、あんがい有効範囲が広いのではないかとちらっと思った。
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